胃がんの手術で、これまでにもっとも多くおこなわれてきたものが定型手術です。がんは目に見える病変だけでなく、周囲の細胞にも潜り込んでいることがあります。がんの病巣を取り除いただけでは、がんを見落としてしまい、再発する可能性もあります。
そこで、定型手術では、まず胃を2/3以上切除していきますが、これに加えて、胃の周りのリンパ節も取り除くという方法がとられています。リンパ節には2種類あり、胃に接している第1群リンパ節と、胃に流れ込む血管に沿っている第2リンパ節があります。切除は両方おこなわれます。がんの再発を防ぐためには、このような切除が必要になるのです。
胃の切除部位のタイプ
胃を切除する範囲は、がんの部位、転移の有無、浸潤の深さから決定されます。
噴門側胃切除術
胃の入り口(噴門)の近くに発生した、早期の小さな胃がんの場合におこなわれます。胃の機能はある程度は残すことができます。
幽門側胃切除術
胃の出口(幽門)から半分程度を切除します。胃の噴門と中心部は残すことができますが、幽門は切除されます。
胃全摘術
がんが進行した状態で、胃の全体に広がっていた場合や、膵臓の周囲のリンパ節に転移が認められる場合には、胃を全部摘出することになります。
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