胃がんの検査

 胃がんの病期を決定するのに不可欠なのが、検査です。

「胃がんの検査で大事なのは、がんの大きさや形よりも、がんの深さです。それに、転移の具合を確かめることです。この2つの要素で病期が決まります」(山口さん)

 胃は、食べ物を一時的に貯蔵するための袋になっています。袋は筋肉で作られ、その一番内側は粘膜という柔らかい組織で内張りされています。がんはこの粘膜にでき、大きくなると、胃の内側に飛び出したり、胃の壁の中に深く食い込んでいきます。そしてこの壁を破ると、近くの大腸や膵臓などの臓器に広がったり、お腹の中に散らばったりします。壁の厚みは5ミリぐらいの薄さですが、この壁のどこまでがんが達しているかががんの深さで、これを深達度といい、T(腫瘍に由来)で表します。

 胃がんは壁の中を進んでいくばかりではありません。胃のリンパ管や血管の中に入り込んで、リンパ液や血液の流れに乗ってリンパ節や遠くの臓器にも飛んでいきます。これが転移です。この深さと転移の2つの要素でがんの病期が決まるのです。

 その深さと転移を調べる検査にはどんなものがあるのでしょうか。

 内視鏡検査、バリウムによるX線検査、CT検査、MRI検査、超音波内視鏡検査等、いろいろあります。

 内視鏡は、患者さんの口から入れて胃の内部を調べる検査です。粘膜の異常な凹凸や色の変わったところを調べるのですが、もう1つ重要なのが、がん組織の一部を採取し、顕微鏡で調べて、がんかどうかを最終的に判定する(確定診断)ことです。

 一方のCTは、X線被曝の難点はありますが、最近の装置は解像度がすばらしく、お腹の中の血管の走行やある程度のリンパ節転移も検出できるそうで、転移を調べるのに有力な武器です。これに対して、超音波内視鏡は、理論的には深さを見るのにいいのですが、潰瘍の痕とがんとの鑑別が難しいなど、精度が落ちるのが難点です。PET(陽電子放出断層撮影)も精度がよくなく、胃がんではその検査の意義もまだわかっていないそうです。


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