胃がん治療後の生活:貧血と骨粗鬆症の対処法

手術後、数年経ってからあらわれる後遺症に、貧血や骨粗鬆症などがあります。食事のとり方は自分で改善することができますが、これらの症状にいたっては、病院で適切な治療を受けなければならない場合もあります。


貧血への対処法

貧血の症状
貧血とは、血液中の赤血球の数やヘモグロビンが減っている状態をさします。軽い貧血の場合は自覚症状はほとんどありませんが、症状が重くなると、動悸、息切れ、頭痛、めまい、食欲不振、吐き気、呼吸困難などがみられるようになります。

必要な栄養素
赤血球の生産には、鉄やビタミンB12などの栄養素が必要になりますが、胃を切除(全摘出)したことにより、吸収効率が悪くなり不足しがちになってしまいます。

貧血と分かったらビタミンB12を年に数回注射します。また鉄分の多い食品をとりましょう。レバー、海藻類、緑黄色野菜などがあります。造血剤を使用して、血液をつくるための成分を服用する方法もあります。



骨粗鬆症への対処法

骨粗鬆症の症状
骨の密度が低下して、もろくなった状態が骨粗鬆症です。胃を切除した影響で、カルシウムの吸収効率が低下していることも要因となっています。そのため骨の変形、痛み、骨折などが起こりやすくなります。


骨粗鬆症の対処法
・適度な運動をして、筋力を保つようにします。
・カルシウムの多い食品を活用していきます。(乳製品など)
・カルシウム剤や吸収を助けるビタミンDなどを服用・注射します。



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胃がん治療後の生活:胸やけなど不快な症状

胸やけがする
食道が痛む
苦い水が上がってくる
このような不快な症状の原因は逆流です。

胃の出入り口の機能が低下しているために、胆汁などの十二指腸の内容物が、胃の中に逆流してしまいます。


逆流の2つのタイプ

��.幽門を残した形式の手術後に生じる、胃酸などの内容物の逆流です。症状は軽めですが、就寝中に起こると飛び起きてしまう場合があります。9割以上は2~3年で胃の機能がほとんど回復します。


��.胃の幽門を切除した場合や胃の全摘で生じるもので、主に胆汁が逆流してきます。こちらはアルカリ性で、症状がかなり強烈になります。

肺に吸い込んだ場合、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性もあり、高熱が出ることがあります。新たにがんが発生する危険性もあります。

逆流への対処法逆流は、主に寝るときに起こるので、就寝中の姿勢などに気をつけましょう。


●飲み物を用意しておく
逆流が起こったときのために、そばに水やお茶などの飲み物を用意しておきます。内容物を洗い流しましょう。

●上体を高くして寝る
上半身を少し高くして寝れば、重力に逆らって逆流してくる心配はありません。高さの調整には、布団の下に毛布や座布団などをはさんでおけばよいでしょう。
また、ギャッチベッドも効果的です。ギャッチベッドとは、福祉用具の特殊ベッドの事で、背上げ・膝上げ・高さ調整等が可能になります。

●就寝直前には食べない
食べてすぐ寝ると、就寝中に消化が進み、分泌液が増加します。そして、逆流が起こりやすい状態になってしまいます。油分の多い食事も、胆汁の分泌を増加させます。食後は少なくとも2時間は起きていましょう




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胃がん治療後の生活:腹痛・便秘、腸閉塞の対処法

手術後、傷が治るまでの過程で、腸の癒着が生じることがあります。癒着とは、炎症などにより、本来離れているべき組織同士がくっついてしまうことをさします。

腸の場合、腸管が曲がりくねっているので、隣接している腸管や腹膜などにくっついてしまうことがよくあります。すると、腸管が折れ曲がったり、ねじれたり、締め付けられるようになります。

癒着した部分は、詰まりやすいことも挙げられます。繊維質のものを多く食べたときは、消化しきれずに残ったものが、狭くなった部分にひっかかって、流れを止めてしまうこともあります。

たまった内容物の圧力と、流そうとする腸の運動によって、腹痛をもたらします。腹痛にも感じ方はいろいろありますが、きりきりとしたような痛みがあるのが特徴です。また、流れが止まってしまっているため、腸の内容物が戻ってきて、吐き気や嘔吐をするようになります。

腸の癒着は、便通にも影響を与えます。そして、腸閉塞も引き起こすことがあります。


腸閉塞への対処法

手術後の腸閉塞の原因は、ほとんどが腸の癒着です。まれに、再発したがんが大きくなって、腸を圧迫する場合もありますが、まずは腸の流れを滞らせないように心がけましょう。

食べたものが腸にひっかかりやすくなっているので、よく噛んで食べるようにしましょう。便秘がちな人は、薬などを使って、便通をよくしましょう。体を適度に動かすことも大切です。

無理に食事を摂るのも控えましょう。お腹の調子が悪いときは、水分をとって様子を見ます。

腹痛とともに吐き気があり、嘔吐したような場合は、血行障害とともに腸閉塞が起きていると考えられます。その際は、すぐに病院で手当を受ける必要があります。



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胃がん治療後の生活:胃切除後の胆石

胆石とは、胆嚢にたまった胆汁の成分が固まってできた結石です。胆嚢には、胆汁をためておき、必要に応じて圧縮したり放出したりする働きがあります。

【胆汁ができる流れ】

・肝臓で胆汁がつくられる。
 ↓ 
・食事により、胆汁の分泌を促すホルモンが出る。肝臓から大量の胆汁が放出される。
 ↓
・胆汁が脂肪分の消化吸収を助ける働きをする。
 ↓
・胆汁のほとんどは腸から再吸収されて、再び肝臓に運ばれる。
 ↓
・胆汁の一部は、便として排出される。


【手術による影響】
胃がんの手術をした影響で、胆嚢の動きにかかわる神経が切断されて、胆嚢の働きが鈍くなります。すると、飲食物が十二指腸を早く通り過ぎてしまうため、ホルモンの分泌が不十分になります。

その結果、胆嚢の収縮力が低下し、胆汁がたまったままになります。このまま濃縮がすすむと、胆石ができてしまいます。

広い範囲のリンパ節郭清をおこなって、胆嚢の神経を完全に切った場合には、胆石ができる可能性も高くなります。そのような場合に備えて、あらかじめ胆嚢を摘出してしまうこともあります。

胆石があると、激しい腹痛の他に、胆嚢炎、黄疸、急性膵炎などを起こす場合があります。症状がなければ、治療をする必要はありません。

腹痛や発熱、黄疸などの症状がみられる場合は、胆嚢の摘出手術を考えることになります。再度、開腹手術となることもあります。なお、胆嚢がなくなっても、生活にはとくに支障はきたしません。




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胃がん治療後の生活:再発

胃がん手術後の患者さんの約30%に再発が起こるとされています。再発を予防するために、治療時にはがん細胞があると考えられるリンパ節を郭清したり、化学療法などで消滅させたりしていきます。


再発の時期

胃がんの再発については、はっきりと予測することはできません。手術後数ヶ月でみられる場合や、数年後になってやっとあらわれるものもあります。

再発のほとんどは手術後5年以内ということがわかってきました。5年を過ぎてから発見される再発は10%以下ということもわかっています。



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手術を受けてから5年間は、定期検査を受けて再発がないかをチェックする必要があります。


再発が起きやすい部位

胃がんの再発が起きやすい部位は、腹膜と肝臓です。その他には、リンパ節、肺、骨、胸膜、脳、髄膜などにもみられます。

腹膜再発は、全体の約半数を占めています。なかでもスキルス胃がんで頻度が高いとされています


胃がん治療後の生活:日常生活、定期検査

まずは、毎日の暮らしを充実させて、不安を取り除くことが、再発防止への手がかりになります。

【がんを防ぐための12か条】
1.バランスのとれた栄養をとる
2.毎日、変化のある食生活を
3.食べすぎをさけ、脂肪はひかえめに
4.お酒はほどほどに
5.たばこは吸わないように
6.食べものから適量のビタミンと繊維質のものを多くとる
7.塩辛いものは少なめに、あまり熱いものはさましてから
8.焦げた部分はさける
9.かびの生えたものに注意
10.日光に当たりすぎない
11.適度にスポーツをする
12.体を清潔に


定期検査で早期発見・早期治療

胃がんに対して有効な抗がん剤も開発されているので、早期に発見すれば治療できる可能性が高まっています。そのためには定期的に通院・検査をして、再発への備えをし、早期発見すれば、それだけ治療法の選択の範囲も広がり、負担も軽減されます。

一般的には、手術後2~3年間は3~6ヶ月ごとに、そのあとは5年を過ぎるまでは半年ごとに診察と検査を続けます。

身体所見
視診で貧血や黄疸の有無を調べます。触診では腹部の張り、しこりの有無、鎖骨のリンパ節の腫れを調べていきます。

腹部CT検査・超音波検査
肝転移やリンパ節転移がないかを調べていきます。

血液生化学検査
血液検査では、栄養状態と貧血について調べます。
また、腫瘍マーカー(がん細胞が作り出した特徴的な物質)を測定することで、体内のがんの状態を推定することができます。

腫瘍マーカーが異常値を示していても、必ずしも再発が起きているとは限りません。



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胃切除後の食事の注意ポイント:後遺症

開腹手術によって胃を切除した後は、いろいろな後遺症があらわれます。

この後遺症を「胃切除後症候群」と呼びます。後遺症は食生活と大きく関係しており、日常生活において見過ごせないものとなります。


手術後の後遺症

ダンピング症候群
ダンピングとは「墜落」という意味で、食べ物が腸に墜落して急に流れ込む様子を表しています。もっとも多くみられる後遺症です。


不快な症状
冷や汗が出る
脈拍が速くなる
動悸がする
倦怠感が出る
頭痛、めまいが出る
まれに意識障害が起こる

貧血
胃の切除により、鉄分とビタミンの吸収が障害されて、欠乏することが原因で起こります。不足している分を補うことが必要です。

骨粗鬆症
胃の切除でカルシウムの吸収が悪くなり、骨がもろくなります。カルシウムやビタミンDを投与して対処していきます。

腹壁瘢痕(ふくへきはんこん)
ヘルニア腹壁の筋肉が閉じずに、皮膚の下に腸が飛び出している状態です。

流性食道炎
胃の手術後には、胸焼けを起こすことがあります。粘膜保護剤や酵素阻害薬などを使用していきます。

胆石
手術後は胆のうの収縮が悪くなって、胆石ができやすくなることがあります。胆嚢炎で症状が強くなったときは手術が必要になります。

胃を切除した後は、体重が減少します。これは、食べられる量が少なくなるのに加えて、吸収効率が悪くなるためです。




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胃切除後の食事の注意ポイント:食べ方

胃を切除した後の毎日の食事についてですが、食事の内容自体は、それほど変更する必要はありません。

注意点としては、脂肪分をとり過ぎないことです。重要なのは食べ方です。

胃切除のあとの症状
すぐにおなかがすく
少しずつしか食べられない
早食いすると苦しくなる
食事のあと、動悸やめまいがする
下痢をしやすい
おならがよく出る
空腹時に低血糖症状があらわれる


食後の不快な症状の多くは、ダンピング症候群と呼ばれるものです。これは、胃の幽門を切除した場合や、全部摘出した場合などに起こりやすいとされています。

食後30分以内:早期ダンピング症状
症状:めまい、動悸、発汗、眠気、下痢など

腸の消化液の分泌が増して、水分やホルモン量のバランスが崩れることから生じます。

食後2、3時間後:後期ダンピング症状
症状:倦怠感、脱力感、めまい、冷や汗、ふるえなど

食後の急激な高血糖状態に対し、血糖を下げるホルモンである「インスリン」が膵臓から大量に分泌されます。その結果、血糖が下がりすぎて症状が発生します。

ゆっくり少しずつよく噛むことが大切
胃の切除後は、少しの食事でもすぐにおなかがいっぱいになります。このときに食事を取りすぎると、ダンピング症状が起こりやすくなってしまいます。

はじめは1日5食を目標にして、徐々に量を増やしていけばいいでしょう。


食事中の心がけ

1回の食事は30分の時間をかける
胃の働きが悪くなっているので、早食いは消化不良やつかえ、苦しみの原因になります。食べる量は減っていても、食事にかける時間は最低でも30分はとるようにしましょう。飲食物が流れるペースを自分で調整しましょう。


少量でとどめる
術前はまだまだ食べれたかもしれませんが、控えめにしましょう。食べられる量にも個人差がありますが、さっきも述べたように、食べすぎはダンピング症状のもとにもなります。

食べていかないと体力がつかないと心配するかもしれませんが、食べすぎも体に良くありません。


一口ごとに箸をおく
飲み込んだ飲食物が流れていったのを確認してから、毎回箸を置いて休憩するのがよい方法です。一気に食べるのを防ぐこともできます。



          
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胃切除後の食事の注意ポイント:要注意の食品

コーヒー

一日に1杯~2杯程度なら心配ありませんが、味の濃いコーヒーを何杯も飲むと、おなかの調子を崩す原因になります。ブラックコーヒーを飲む方もいますが、空腹時にはできるだけ避けるようにしたほうがよいでしょう。


食物繊維の多い野菜

食物繊維が多い野菜には、キノコ類、海藻類、タケノコ、コンニャクなどがあります。食物繊維はもともと消化しにくく、よく噛まないまま飲み込んでしまうと、お腹をくだしたり、詰まってしまうことがよくあります。

便秘予防のためにも、食物繊維はできるだけ不足したくない食品ですので、よく噛んで食べるか、調理の段階で細かくしておきましょう。


大豆

食物繊維も多いので、一部の調理法によっては、消化がよくない場合もあります。豆腐や納豆などは消化も良いので安心して食べることができます。


いか、たこ、貝類

噛みにくいので、そのまま流し込むとよく消化不良を起こします。無理に飲みこむのはよくないので、あまり摂らないのも1つの方法です。


香辛料

香辛料には辛いものもありますが、塩分の摂り過ぎよりは心配ありません。大量に摂取すると、健康な人と同じように、胃の粘膜が傷つきます。


アルコール

すぐに禁酒する必要はありませんが、胃の機能が低下しているので、アルコールがすばやく吸収されるようになります。その結果、酔いが早くなるのでやや注意しましょう。ビールも、炭酸ガスによっておなかが膨れることがありますが、個人差があります。




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胃の病気:悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は、リンパ球ががん化した悪性腫瘍でまれな病気です。

人間の体には血管と同じようにリンパ管が全身にありますが、リンパ管の中には細菌やウイルスと戦うリンパ球を含んだリンパ液が流れています。

リンパ節はリンパ管に沿って、全身、特にわきの下、首、足の付け根などに存在し、リンパ液を貯蔵したり濾過したりしています。悪性リンパ腫では、全身のリンパ節が腫れたり、臓器に腫瘤ができます。

胃に発生するリンパ腫にはB細胞リンパ腫、MALT(マルト)リンパ腫があります。


B細胞リンパ腫:
エイズや臓器移植後など免疫の働きが著しく低下した状態で発生します。リンパ球にはT細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)があり、それぞれT細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、NK細胞リンパ腫があります。B細胞リンパ腫は低悪性度リンパ腫です。


MALTリンパ腫:
B細胞リンパ腫の1つで低悪性度です。唾液腺、甲状腺、消化管などの粘膜に関連するリンパ組織に発生します。ヘリコバクター・ピロリ菌という細菌と関連しているといわれています。


びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
日本人に多い中悪性度のリンパ腫です。小腸、大腸に発生するリンパ腫の中で最も多いリンパ腫です。


バーキットリンパ腫
小腸や大腸に発生し、若年者に多く発生する高悪性度リンパ腫です。バーキットリンパ腫は卵巣や乳腺で発症することもあり、多くの患者さんで腹部に巨大腫瘤を伴います。

わきの下、首、足の付け根などのリンパ節が腫れます。一般に痛みはありません。全身に拡がった場合は体重減少、寝汗、発熱、全身の倦怠感などの症状がでます。


生検
腫れたリンパ節など病巣の組織の一部をとりだし、病理組織検査によって顕微鏡で悪性リンパ腫であるかどうか、また、悪性度を調べます。


X線検査、CT検査、超音波検査、MRI検査:
病巣部位がどこまで拡がっているかを調べます。


血液検査:
白血球、赤血球、血小板の数値の変動および腎臓、肝臓の機能を調べて治療に耐えられるかどうか判断します。


化学療法:
抗がん剤を用いてリンパ腫細胞を殺す治療法です。通常個々のリンパ腫に対して感受性の高い薬を数種類組み合わせて2~3週間単位で投与します。


放射線療法:
悪性リンパ腫は放射線に感受性が高いといわれています。放射線療法のみの治療、または、化学療法と組み合わせた治療を行います。


造血幹細胞移植:
正常な血液を回復させる移植法です。全身に放射線を照射した後、赤血球、白血球、血小板などのもとである「造血幹細胞」を移植します。移植された造血幹細胞からは新しい健康な血球ができます。事前に自分の幹細胞を凍結保存しておき移植する方法と、兄弟や他人から骨髄移植する方法があります。標準的な治療法で効果がなかったり、再発した場合に、造血幹細胞移植を併用して化学療法の効果をあげる方法などが試みられています。




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胃の病気:胃ポリープ

胃ポリープとは、胃の粘膜上皮に局所的に隆起した病気です。

ポリープには最も多い過形成性ポリープをはじめ、胃底腺ポリープ、特殊なポリープとして腺腫、家族性大腸腺腫症などがあります。

過形成性ポリープ
過形成性ポリープの発生は30歳以上で年代と共に増加する傾向にあり、腸上皮化生との関連はあまりなく、がん化することはまれです。
高さが高くなり、大きさが増したりして進行していきます。普通、直径2~3センチどまりです。非常に赤く、表面にイチゴのような顆粒状の凹凸があります。出血やびらんも多くみうけられます。

胃底腺ポリープ
胃底腺ポリープは、胃底腺の粘膜に発生し、数個以上発生します。女性に多く、胃底腺の粘膜は萎縮せず、状態が良好なことが特徴です。
粘膜の変化は、胃の大彎曲を中心とした胃壁に多く見られます。数ミリ程度の半球状のポリープで、表面は滑らかで、特に色の変化はなく、多発します。

腺腫
腺腫は、高齢者で腸上皮化生をもつ、かなり萎縮した粘膜にみられます。男性に多く男女比は4:1です。
高齢者の萎縮性粘膜にみられ、形はドーム型、平たいもの、花壇状など様々です。灰白色で整った凹凸があります。


症状
胃もたれや不快感、食欲不振などの症状がみられることがありますが、多くは同時に発症している慢性胃炎によるものです。過形成性ポリープの場合は、出血により貧血をおこすことがあります。


検査
��線検査
粘膜の状態やポリープ表面の凹凸の状態を観察します。

内視鏡検査
ポリープの観察だけでなく、場合により生検(せいけん)(組織を採取して病理(びょうり)検査をする)をして、ポリープの詳細な情報を得ます。


治療
過形成性ポリープの場合、小さなものは放置可能で年1回の経過観察をし、2センチ以上の大きいものは内視鏡的治療により切除します。

胃底腺ポリープは一般的に放置して心配ないといわれています。

腺腫の小さなものは、半年~1年に1回の検査で経過観察します。大きなもの(2センチ以上)や、がんとの識別がはっきりしないものは、内視鏡的治療により、粘膜の切除をします。




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胃がん 免疫力を上げる

がんの予防の1つとして、がんに対する抵抗力をつけるために、免疫力を高める方法があります。

免疫力を高めるためには、どのような食事を心がければよいのでしょうか。

おすすめの食材として玄米があります。

玄米には、糖質をはじめ、たんぱく質、脂質が含まれ、ビタミンバランスも整っています。

また、ミネラルも豊富で、健康な細胞をつくるのに、非常に良い構造をしています。

玄米に少しおかずを加えるだけで、必要な栄養分が十分摂取することができます。

玄米は、体を冷やさない効果があります。近年、低体温、低血圧、冷え性の方が多く、これらの要素を持ち合わせている人は、血液の循環が悪いため、汗もかきにくくなっています。

このような体質になると、免疫細胞が活発に動かなくなるため、免疫力も低下してしまいます。

このような事態を避けるためにも、玄米は役立ちます。

ポリフェノールも積極的に摂りたい成分です。人の体では、活性酸素が常に発生しています。この活性酸素は、脂肪と結び付くと、がんの原因になる成分です。

ポリフェノールには、この活性酸素を取り除くことができる抗酸化作用があります。ポリフェノールを豊富に含む黒豆や黒ゴマ、プルーンなどを食べることをお勧めします。





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胃がんの名医・病院

慶応義塾大学病院
北島政樹医師

国内で最初の「遠隔内視鏡手術ロボット」の導入で究極の低侵襲手術を実現した、世界的に有名な胃がんの名医です。福岡ダイエーホークスの王監督の胃がん手術の執刀を担当したことでも有名です。


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癌研究会有明病院
福永哲医師

全国的に有名な胃がんの名医で、国内で最も古くから「がん」という病を研究し続けています。また腹腔鏡手術のスペシャリストと言われています。


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亀田総合病院
加納宣康医師

日本を代表する消化器外科医師の一人で、開腹手術は約1000症例以上、内視鏡下術でも約800症例以上で、中でも内視鏡下術式においては世界的な権威と言われています。手術技術はその神業的と言われ、多くの医師も訪れるそうです。


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国立がんセンター中央病院
笹子三津留医師

後藤田卓志医師
笹子医師、後藤田医師ともに全国屈指の実績を誇り、胃がんに関する最高峰の外科医と言われています。


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虎ノ門病院
宇田川晴司医師

常に理性的に正しい判断を追求し、患者さんにも優しいと評価は極めて高い医師です。また虎の門病院も「食道がん」「胃がん」において定評のある病院とされています。


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藤田保健衛生大学病院
宇山一朗医師

がん手術の名医として知られ、中でも腹腔鏡手術を得意としています。早期胃がんはもちろん、進行胃がんでも術前抗がん剤療法と拡大手術を併用させ、手術後のQOLを考慮した治療方法の工夫などに取組み良好な成績を得ています。


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愛知県がんセンター
山村義孝医師

日本胃癌学会の会長でもあり、胃がん手術において約2,500例を超える経験豊富な医師です。また、化学療法にも経験豊富で、ステージの高い進行がんの患者に対しても希望を与えてくれる名医として知られています。


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国立病院機構大阪医療センター
辻仲利政医師

手術の名手と言われ、辻仲医師の率いる外科チームの実力は高く評価されています。また国立病院機構大阪医療センターも胃がんの年間入院患者数は約500名にも及び、行われる術数も豊富です。


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大阪医科大学付属病院
谷川允彦医師

全国的に有名な開腹手術の名医で、胃がんにおける開腹手術は約2000症例を超しています。また内視鏡的手術においても、約350症例に及ぶ経験豊富な医師です。


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市立堺病院
古河洋医師

手をつけられないスキルス胃がんに対しても、卓越した手術で5年生存率約45%と、他の医師では見られないような驚異的な実績を誇っています。手術成功例約3,500例以上と言う胃がん治療のスペシャリストと言われています。



           

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胃がんの名医

大阪大学医学部付属病院〒565-0871
大阪府吹田市山田丘2番15号
TEL. 06-6879-5111(代表)
大橋秀一
��内視鏡外科教授)
積極的な内視鏡手術の推進者。
自ら考案した腹腔鏡胃内手術で有名
 

市立堺病院〒590-0064 大阪府堺市堺区南安井町1丁1番1号
電話:072-221-1700
古河 洋
��副院長)
スキルス胃ガンに対して、
術前化学療法と拡大手術で成功例多い

 
和歌山県立医科大学付属病院〒641-8510 和歌山市紀三井寺811番地1
電話073-447-2300
永井祐吾
��内視鏡部助教授)
内視鏡による早期発見で根治性と
��OLを損なわない治療をすすめる

大分医科大学医学部付属病院〒879-5593
大分県大分郡挾間町医大ケ丘1-1
電話097-549-4411
北野正剛
��第1外科教授)
難度の高い噴門部の胃ガンも、
高度な消化管再建術でクリアする

鹿児島大学医学部付属病院〒890-8520 鹿児島県鹿児島市桜ヶ丘8丁目35番1号
電話 099-275-5111
愛甲 孝
��第1外科教授)
患者の個別事情を配慮し、
オーダーメード治療と術後ケアを推進

癌研有明病院〒135-8550
東京都江東区有明3-10-6
電話 03-3520-0111
中島聰總(副院長)1万2千例の胃ガンデータベースで治療法を選択。
化学治療も併用
丸山雅一(内科部長)原則としてガンを告知し、
患者が現状を受け入れてから治療に当たる

慶應義塾大学病院〒160-8582
東京都新宿区信濃町35番地
Tel. 03-3353-1211(代表)
北島正樹
��外科教授)
国内初の遠隔内視鏡手術ロボット導入で
究極の低侵襲手術を実現

国立がんセンター中央病院〒104-0045
東京都中央区築地5-1-1
電話03-3542-2511
丸山圭一
��胃科医長)
胃全摘出、周辺臓器合併切除など、
高難度の技術は世界的水準にある

順天堂大学医学部付属病院東京都文京区本郷3-1-3
電話03-3813-3111
鶴丸昌彦
��第1外科教授)
ガンのステージごとに適切な治療、
切除術経験豊富で成績優秀

東京慈恵会医科大学付属病院〒105-8471
東京都港区西新橋3-19-18
電話03-3433-1111
青木照明(一般消化器外科部長)拡大手術を避け極力胃を残し、
術後の障害を最小限に止める医療
吉田和彦(第1外科助教授)症例数は国内トップクラス。
身体負担の少ない治療方法を選択

東邦大学医療センター大森病院〒143-8541
東京都大田区
大森西6-11-1
電話03-3762-4151
寺元龍生
��第1外科教授)
体にやさしい低侵襲ガン治療を積極的に推進。
自律神経を温存

埼玉医科大学総合医療センター〒350-8550
埼玉県川越市鴨田辻道町1981
電話049ー228-3400
下村一之
��外科外来医長)
腹腔鏡下手術で術後の痛み少なく治療期間を短縮、
技術力は抜群

埼玉県立がんセンター〒362-0806 埼玉県北足立郡伊奈町小室818番地
電話048-722-1111
多田正弘
��消化器内科副部長)
つねに最新の治療法に立脚、
内視鏡診断、治療と化学療法で好結果

東京歯科大学市川総合病院〒272-8513
千葉県市川市菅野5-11-13
電話047-322-0151
吉野肇一
��外科部長)
早期胃ガンやポリープなどの内視鏡的切除により
��OLの維持目指す



       
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胃がんの遺伝の可能性

胃がんの遺伝性はスキルス性胃がんにおいて指摘されています。

スキルス性胃がんとは、筋層から外側にかけてできてしまうもので、リンパ液や血液からほかのリンパ節、臓器への転移が進行しやすい進行がんと言われています。

胃がんの遺伝性とは、スキルス性胃がんにかかりやすい家系であるということです。

胃がんに関係する遺伝子はいくつかありますが、そのなかでもCDH1遺伝子の働きに、スキルス性胃がんとの関係性が指摘されています。

本来たんぱく質を作り出すはずのCDH1遺伝子が、胃の内部で突然変異をしてがん細胞化してしまうことにより、胃の中に広がってしまうのです。

そしてこのCDH1遺伝子の突然変異をする性質が、胃がんが遺伝と言われる原因ではないかと考えられています。

遺伝子以外にも、食生活の面から胃がんになりやすい家族、家系はあります。
胃がんの原因である喫煙、熱い食べ物、辛い食べ物を多く摂る生活を送っている場合です。

家族全員が胃がんの原因とも言われるこのような食生活、習慣も何年も続けていれば、胃がんになる可能性は蓄積され続け、胃がんが発症してしまうことになります。

胃がんを招く原因は、遺伝的なものと、食生活や習慣にあると考えられています。

家族や親戚にスキルス性胃がんにかかったことがある方がいる場合には、人間ドックや健康診断などで定期的に自分の身体の調子を確認するとよいでしょう。




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胃の病気:急性胃炎

急性胃炎は、様々な原因で、胃の粘膜に炎症をおこす病気で、急激に発症します。

浮腫、出血、潰瘍を起こしていることもあります。

潰瘍は粘膜の欠損が下の層に進んで、陥没した状態です。

みぞおちのあたりの急激な痛みなどがあり、検査の結果、胃の粘膜に異常が認められ、急性胃炎、急性潰瘍をともなうものを急性胃粘膜病変といいます。

内視鏡検査が普及し、粘膜の様子を詳しく観察できるようになりました。ストレスとAGMLには関係があるとされています。

症状

心窩部痛、胃部膨満感、むかつき、嘔吐、吐血、下血


原因
原因として、アルコールの飲みすぎ、医薬品、化学的毒物、放射線、細菌、食中毒、ピロリ菌などがあります。インフルエンザなどの感染症、急性化膿性胃炎、アレルギー性胃炎、ストレスなども原因となります。

ストレスが胃の粘膜を荒らす原因のひとつは次のように考えられています。

ストレス刺激が脳に伝わると、脳から胃酸の分泌を促す信号が送られ、胃の運動を盛んにします。さらに、胃粘膜の血流が減少します。正常な状態では、粘液などが粘膜を保護する力を持っています。しかし、このような状態では、粘膜保護作用が減少し、粘膜が荒れてしまうと考えられています。


検査
内視鏡検査胃粘膜の状態を観察します。不整形、地図状のびらんや潰瘍が見られる特徴があります。

薬物療法
むかつき、嘔吐がひどければ、食事を取らず点滴による栄養補給を行います。また、胃酸分泌を抑える薬、胃粘膜を修復する薬などで治療をします。出血がある場合は止血剤を用います。状態や治療によりますが、比較的早期に治ります。




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胃の病気:胃潰瘍

潰瘍は胃の粘膜の下にある筋層まで傷つく状態です。胃潰瘍には、急性胃潰瘍と慢性胃潰瘍があります。急性胃潰瘍は、浅い不整形の潰瘍やびらんが多発し、慢性胃潰瘍は、円形で単発する傾向があります。ほとんどは早期に治りますが、再発を繰り返すこともあります。40~50歳代に多く発症します。

<症状>
食後少し時間が経過すると心窩部痛、背中の痛みが起こり、軽食をとると軽快する傾向にあります。このような症状は、潰瘍の活動期に起こり、治癒期には無症状です。潰瘍の増悪期には、食後や空腹時を問わず痛むことがあります。高齢者では胃潰瘍の出血が、心筋梗塞や狭心症の引き金になることもあります。

<原因>
胃酸の消化作用によって、自分の粘膜が攻撃されるために起こります。胃粘膜を守る働き(表面上皮と粘液)と胃粘膜を攻撃する力(胃液中の胃酸やペプシン)のバランスがくずれ、攻撃側が優位になった状態によるものです。
また、胃潰瘍の70~90%でヘリコバクター・ピロリ菌が発見されています。

<検査>
X線造影検査
潰瘍の輪郭、潰瘍のまわりの粘膜・胃壁の様子を観察します。

内視鏡検査
潰瘍の状態を観察し、病気がどのレベルまで進んでいるか観察します。

<治療>
生活習慣の改善過労やストレスを避けます。出血や胃痛など症状のひどいときは、禁酒、禁煙また、胃酸の分泌を促進する食べ物(焼肉、コーヒー、濃い紅茶や緑茶、アルコール、強い香辛料)をひかえるようにします。脂肪性の食品や繊維の多い食べ物は、消化に負担がかかるので、避けるほうが賢明でしょう。同時に食事時間が不規則にならないように注意します。

薬物療法
胃酸の分泌を抑え、胃の粘膜を修復する薬剤により治療します。
ヘリコバクター・ピロリ菌に感染し、再発を繰り返している場合には、胃酸分泌を抑制する薬と2種類の抗生物質を使用した「ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌療法」が行われています。完治した後も再発を防ぐため、胃酸の分泌を抑制する薬や胃粘膜を修復する薬を継続してのみます。

手術
出血性の潰瘍の場合は、内視鏡的止血法が多く行われるようになっています。そのため、従来の外科的治療は激減しています。




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胃の病気:胃下垂

胃が正常な位置より常に下がっている状態を胃下垂といいます。

おなかの壁の脂肪不足や腹部圧力が低下している痩せ型の人におこります。

多くは胃の動きが低下し、胃の働きが弱った状態を伴っています。

先天的な素因によるところが大きく、必ずしも病気とはいえませんが、暴飲暴食、過労、ストレスなどが引き金になって胃の働きが弱り症状が現れやすくなります。

体型とも関係があり、一般に女性に多く見られます。胃下垂になると食べたものが胃の中に正常より長くたまった状態になり、消化に負担がかかります。

一般に自覚症状はないことが多いのですが、胃部膨満感や上部腹痛、少量の食事で満腹感を感じる、食後の胃のもたれやむかつきを感じることがあります。


X線検査
��線にて胃の位置を確認します。胃下垂の場合は、骨盤腔内まで下がった胃が確認されます。

胃下垂は体質的なものなので、多くの場合、治療の必要はありません。暴飲暴食、過労、ストレスを避けてバランスのとれた食事をとり、過度に熱いものや冷たいものはなるべくひかえます。

薬物療法
胃腸機能調整薬、消化酵素剤などを使用することもあります。




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胃の病気:アニサキス

アニサキスの成虫はクジラなどに寄生する寄生虫です。幼虫はオキアミを経てサバ、アジ、イワシ、イカなど様々な魚に寄生して感染幼虫になります。

日本人は魚を生で食べる習慣があるので、他の国の人に比べて、感染率が高くなっています。人の体内に入った幼虫は成虫にならずに、胃や腸で好酸球性肉芽腫という病変をおこします。

予防は火を通して魚を食べることです。また、マイナス20度以下で24時間以上冷凍すればアニサキスの幼虫は死滅するので、冷凍保存されたものを食べると安全です。

症状
生の魚を食べた6~9時間後に嘔吐や腹痛が起こります。これらの症状は治まりますが、10日くらいで、胃壁や腸壁に好酸球性肉芽腫ができます。
幼虫が消化管の壁に穴をあけると激しい腹痛がおき、重症になります。


原因
アニサキスが寄生した魚の生食

検査
血液検査:
血清反応でアニサキスの有無を診断します。

内視鏡検査:
胃や腸内に好酸球性肉芽腫やアニサキスの有無を直接調べます。

X線:
アニサキスを直接探します。

治療
手術:
初期であれば内視鏡で虫体を摘出(てきしゅつ)します。肉芽腫は2ヵ月程度で、自然に治ります。




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胃の病気:萎縮性胃炎

萎縮性胃炎は、胃が老化して粘膜が薄くなった状態です。

内視鏡で見ると粘膜が薄くなって、下の血管が薄く透き通って見えてきます。子どもの肌と中高年の肌に明らかな違いがあるのと同じで、ある程度の老化は誰にも避けられません。

単なる老化とは別に、ピロリ菌に感染していると慢性活動胃炎を起こし、さらに委縮性胃炎へと進んでいくことが判明してきました。

自然治癒は難しいのですが、ピロリ菌を除菌すると回復してきます。ですから、ピロリ菌に感染しているかどうかの検査を受けて、陽性であれば除菌をおススメします。


ピロリ菌①感染経路・除菌方法

慢性胃炎
 萎縮性胃炎には、軽度、中等度、重度と段階があり、重度になると、そこから胃ガンが発生するリスクが高くなってきますから、定期検診だけは欠かさないようにしましょう。

 日常生活での注意点は、萎縮性胃炎の状態では、消化液の分泌が少ないため、できるだけ胃に負担をかけない食生活を心がけてください。1日3回の規則正しい食事、脂っこいものなど消化の悪いものや香辛料など刺激の強いものは控えめにすることが大切です。





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胃の病気:胃肉腫

胃肉腫の症状
胃肉腫は胃の粘膜下に腫瘍が発生する病気で、胃肉腫の約2/3が「悪性リンパ系胃肉腫」、約1/3が「胃平滑筋肉腫」と言われています。

悪性リンパ系胃肉腫は悪性のリンパ腫が発生する病気です。症状は食欲不振、吐き気、痛み、吐血や下血、体重減少があります。

自覚症状から診断することは困難で、胃癌との見分けがつきにくい病気です。原因ははっきりとは判明していません。

胃平滑筋肉腫は良性のリンパ腫が胃粘膜の下に発生する病気です。

「平滑筋」とは自律神経の作用で収縮する筋肉のことで、中でも胃平滑筋にある腫瘍は大きくなると、胃の粘膜を突き破って悪性腫瘍に変わりやすいです。

貧血や吐血をするほと悪化しないと症状に気付きにくいのも特徴です。

ピロリ菌が原因で胃肉腫になることはないものの、ピロリ菌が存在すると胃肉腫を誘発するとされています。


胃肉腫の治療
胃肉腫は消化管X線検査や内視鏡検査で発見できます。内視鏡で観察と同時に組織を採取し、良性か悪性の判断をします。

腫瘍が大きくなると、胃のしこりに触れることができますが、胃の粘膜を破って潰瘍を作るまでは、症状は自覚できずに胃潰瘍のような激痛もありません。

悪性リンパ系胃肉腫の治療では、悪い部分を残さないように切除術を行うのが基本です。その時期や細胞の種類によって、ピロリ菌の除菌や抗がん薬を併用した化学療法が選択されることもあります。

胃平滑筋肉腫の治療では放射線療法が無効のため、こちらも悪性リンパ系胃肉腫同様に切除術が主体となります。

手術でも腫瘍を取りきれないこともあり、死亡率の高い腫瘍です。5年生存率は10~30%とも言われています。

放っておくと悪化して死亡する可能性が高いので、緊急に処置をしないといけません。




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胃の病気:胃リンパ腫

胃の悪性疾患ではがんについで多い病気です。

それでも胃がんの1/20以下の発生率で、まれな病気といえます。

胃のリンパ装置が腫瘍化し、進行すると全身に転移し生命を奪います。潰瘍を作るもの、隆起が目立つものなどいろいろな型があり、細胞の診断も癌より難しく、確定診断には専門医の知識と経験が必要です。

症状としては潰瘍を作るタイプでは胃痛、胸やけなどがありますが、無症状のものが少なくありません。

治療の基本は早期に発見して外科的に胃を全て切除します。

最近はピロリー菌と関連するものがあり、ピロリー菌を薬で殺すことで治るリンパ腫があることが分かってきています。




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胃の病気:胃切除後症候群

胃切除後症候群の症状
胃切除後症候群は胃の切除後に食事に障害が起きる病気で、胃の手術を受けた人が食事を始めてから数時間のうちに発症します。

原因は手術によって胃を取り除いたため、食べ物を貯める機能が欠如することです。

胃で消化されない食べ物や濃い糖分が、急速に小腸に行くために、小腸の運動や血液循環に異常をきたしやすくなります。

基本的にはめまい、動悸、全身倦怠感、失神発作、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの症状が起こりやすいです。

胃切除後症候群にはダンピング症候群、小胃症状、食事性障害、逆流性食道炎、吻合部潰瘍などの総称でもあります。

食べる量が減り、体重減少や栄養不足による貧血や低血圧が見られることが多いです。

胃切除後症候群の治療
食事は胃が回復してきたらジュースや流動食は避け、高タンパク、高カロリー、高栄養素の食事を摂取します。

特定の食品を食べると気持ちが悪くなることがあります。例えば、カルシウムが不足しがちなので牛乳が摂りたいのですが、下痢をすることも多いです。

このときは必ず温めて飲む、料理に牛乳を使用する、ヨーグルトやチーズで代用するといった工夫をします。

食後は安静して、食物がゆっくり移行するようにします。重症の場合は再手術をすることもあります





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胃の病気:急性胃拡張

急性胃拡張の症状
急性胃拡張は胃に内容物が停滞して、急性的に胃の容積が拡大する病気です。食事後にお腹が張る膨満感にも用いられるケースもありますが、正式な急性胃拡張とは言えません。

体は口から肛門に食べ物を送り出すように動いていますが、急性胃拡張になると胃の筋肉の動きが麻痺して、胃が膨らんだ状態になります。

胃の中の食べ物を腸に押し出すことができずに、胃の中に食べ物が貯まる極めて危険な状態です。腸に流れていたものが胃に逆流してくることもあります。

症状は腹部膨満感、嘔吐、脱水によるショック症状が起こります。

嘔吐も頻発に少しずつ溢れるようになり、容易には止まりません。緑褐色の液体を大量に吐き出し、時間が経つと黒褐色のものを吐きます。

水分と電解質を大量に失うために、無欲状態、痙攣なども起こります。

放置すると胃が巨大化して、他の臓器を圧迫したり、呼吸ができなくなったりします。


急性胃拡張の治療
腹部のレントゲン検査で拡張した胃のガス像を簡単に確認することができますが、負担が少ない腹部超音波検査でも拡張した胃がわかります。

急性胃拡張は原因を見つけることが治療につながりますので、血液検査や尿検査、胃内視鏡検査も実施されます。

急性胃拡張が激しい場合は即時に胃の中に溜まっている内容物をチューブで吸引し、外に出してあげます。

さらに電解質の補整、タンパク質の補給、血糖のコントロールも行います。処置後は禁食で胃腸を安静にして、点滴で経過を見ます。

以前は死亡率が60~70%とも言われていましたが、現在では病気の発見が早く、適切な治療が行われれば、ほとんど治癒します。

胃癌などのために食物やガスの停留が起こることが多いですし、肺炎や急性伝染病などの重症感染症、脊髄損傷、腹部外傷、腹部のギプス包帯固定後などでも発症します。




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ピロリ菌は口から侵入してくる

衛生状態の悪い地域ではピロリ菌に感染する確率が高いことが判明しています。水道管の内部に菌が繁殖しているケースがあるとのことです。

ピロリ菌は「生物の胃の中からしか見つかっていない」とされていますが、細菌が繁殖しやすい環境にも確実に存在します。衛生状態が悪い地域では、糞便からも感染が報告されているくらいです。

日本の水道環境は安全ですが、50歳以上の人は子供の頃に感染している可能性があり、その確率は50~70%以上とも言われています。

食べ物や飲み物からも感染しやすいと考えられていて、基本的に口から侵入する経口感染がピロリ菌の侵入経路とされています。




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ピロリ菌で胃癌が5~6倍に

最近の研究ではピロリ菌の陽性例では2.9%に胃癌が発見され、ピロリ菌の陰性例では胃癌が全く認められませんでした。

胃癌の場合にピロリ菌が存在する確率は100%に近く何らかの性質が胃癌を誘発するとしています。

今までピロリ菌で胃癌になる確率は5~6倍とされてきましたが、その理由ははっきりしていませんでした。

注目されているのが、99年に自らが発見したAIDという酵素。 

この酵素は、多様な外的に対して様々な抗体を作るようにBリンパ球という免疫細胞の遺伝子に突然変異を誘導する働きを持ちます。

つまり、AIDが存在すると細胞が変異して、癌化することを指しています。

ピロリ菌は幼児時に経口感染し、胃に数十年住み続けて、大人になってから慢性胃炎を発症させます。日本では40代以上の70%が感染しているので、早めのピロリ菌の除菌が望ましいです。




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ココアの遊離脂肪酸がピロリ菌を倒す

ココアの原料であるカカオマスはカカオの種子を発酵させ、コーヒーのように焙煎させたものです。

カカオマスの成分の半分以上はカカオバターと呼ばれる油脂分ですので、この油脂分を取り除いて、種皮と胚芽を取り除いた後にすり潰したものがココアパウダーになります。

また、ココアパウダーの重さの約1/4以上は食物繊維が占めます。

食物繊維は腸内で消化吸収を助ける善玉菌の栄養分になってくれますし、胃腸で分解されずに排泄を改善する働きもあります。

赤ワインに含まれる成分で有名なポリフェノールが、ココアにも豊富に含まれています。

ポリフェノールは有害な活性酸素を除去しますし、血液をサラサラにしてくれます。同時に基礎代謝を高めて、脂肪の吸収を抑制してくれます。

ココアの中でピロリ菌を除去できる効果がある成分は、オレイン酸とリノール酸を代表とする遊離脂肪酸です。

遊離脂肪酸は「カカオFFA」とも呼ばれ、カカオ豆を発酵したり、ココアの製造過程で作られるものです。そのカカオFFAがピロリ菌を殺菌する仕組みは以下の通りです。

1 ココアのカカオFFAが胃の中のピロリ菌に接触します。
2 カカオFFAがピロリ菌の細胞膜に攻撃をします。
3 ダメージを受けたピロリ菌は徐々に弱まります。
4 ピロリ菌は形を変えて、胃から排出されます。


ピロリ菌を死滅させるためには、カカオFFAのようにピロリ菌の細胞膜に侵入しダメージを与えたり、ピロリ菌を守っているウレアーゼを除去したりして、殺菌をしなければいけません。

カカオマスを含むコーヒーなどでもココアに似た殺菌効果がありますが、ココアの方が効果は高く、実に3倍以上になります。

緑茶、ウーロン茶、紅茶などにはピロリ菌の除菌効果はありませんでした。

カカオFFAにピロリ菌を死滅させる作用があることは、森永製菓の研究で判明しました。その森永製菓ではピロリ菌を減少させる成分を2倍以上に強化したココアが販売されています。




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胃がんになりやすい食事

胃がんになりやすい食事とは、どのような食事なのでしょうか。

胃がんは、日本において、発症率の高いがんの1つです。

その理由として、高塩分の食事が考えられます。とくに、塩魚や漬物といった塩分の高い食事は、胃の粘膜に負担をかけてしまいます。

少し前の北陸や東北では、胃がんの患者さんが、非常にたくさんいらっしゃいました。

それは、この地方特有の食生活にありました。この地域は、冬が長く、雪におおわれているため、食物を塩漬けにする習慣がありました。

現在は、新鮮な野菜や果物が年中食べられるので、そのようなことはありませんが、以前は、塩分をたくさん使用した食品が、テーブルに並ぶことが多くあったため、このような状況でした。

胃がんは、食生活との関わりが大きく、食生活を見直すことで、予防も可能です。最近の研究では、野菜や果物の摂取が、胃がん予防に有効であるというデータもあります。

これらの野菜や果物に含まれるβカロチンやビタミンC、ビタミンEなどが、細胞に傷がつくのを防いでくれます。そして、冷蔵庫の普及が、食べ物を塩漬けにしなくても良くなり、新鮮な野菜や果物が、年中手に入るようにもなりました。

このように、高塩分の食事は、とくに胃がんに関しては、ハイリスクになっています。少しでも、塩分を控える食事に切り替え、さまざまな種類の野菜や果物を食べることが、胃がん予防につながります。




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胃がん 予防のための食事

胃は、食べ物を消化する働きをする場所であることから、食生活との関わり方も深く、胃がん予防には食生活が大きく影響しています。

胃がん予防の1つとして、食生活を見直してみましょう。

まず、胃がん予防には、塩分を控えることが大切です。

塩分の過剰摂取は、胃の粘膜を傷つけてしまいます。

この状態を繰り返すと、胃に負担がかかり、ガン化することもあります。

そして、喫煙、多量のアルコール摂取も、できるだけ控えましょう。これらも、たばこを吸わない人や、お酒を飲まない人に比べ、胃がんのリスクを高めます。その差は、約3倍から5倍と言われています。

そして、焦げた食品や、カビの生えた食品も、避けるようにしましょう。これらの胃がんの原因となるようなものを避け、予防効果のあるものを積極的に摂取することで、がんを予防することにつながります。

がんの予防に良いとされる野菜を、たくさん食べることも、お勧めします。野菜に含まれるビタミン、βカロチンなどは、活性酸素の発生を、抑える効果があります。

野菜を良く食べる人は、食べない人に比べ、胃がんの発症率が、半分以下となっています。

また、果物においても、食べる人の方が、食べない人に比べ、がんの発症率が約30%低いというデータがあります。

このように、食生活を見直すだけでも、胃がんの予防効果は、かなり高まります。



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悪性度の高いスキルス胃がんとは

スキルス胃がんとは胃がんの種類の中で最も悪性度の高いがんとされています。

スキルス胃がんは、他の胃がんと同じように粘膜から発生します。
あまり粘膜面の変化をおこさないまま胃壁の中を広く浸潤していきます。

スキルス胃がんは胃がんの中でも約10%の割合を占めていて30代、40代の女性の方によく見られています。

すでに発見された時点で約60%の人は腹膜転移や広範なリンパ節転移をともなっています。

手術をしてがん細胞を切除できたとしても再発生率が高いがんということになります。



スキルス胃がんの悪質な特徴
1)発見されにくい
2)進行が早い
3)転移しやすい


通常胃がんは、内視鏡検査で初期症状が発見されます。
スキルス胃がんは胃の粘膜表面の異常が少ないため内視鏡検査では見つけにくくなっています。

体調に不安を訴えて気付いたときにはがんが進行してしまっているといったパターンがほとんどなのです。

手術が難しいスキルス胃がん

スキルス胃がんに特徴的な転移が腹膜播腫です。

腹膜播腫とは、簡単にいえば内臓を包む腹膜にがんが散らばって転移した状態のことを言います。

がん細胞が胃壁を貫いていちばん外側の漿膜を越えて外に出てしまい、バラバラと腹膜にこぼれ落ちていきます。

がんのステージでいうと最終段階にきている状態です。

スキルス胃がんに掛かった人の約半数の人が腹膜播腫と言われていることからかなりの確率でこの腹膜播腫は出現することがわかります。

手術と抗がん剤、温熱療法を組み合わせた治療法が効果的とされています。

手術で腹膜の播腫がきれいにとれ、一通りの治療をすることができれば、生存率はぐっと高まるといわれています。




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胃のポリープのがん化

胃のポリープとは、まわりの胃の粘膜より明らかに高まっていて境界のはっきりした限局性の病変です。

胃のポリープは胃の中にできた突出した病変をいいます。

エックス線検査や内視鏡の検査で診断します。

胃のポリープの半分ががんになるといわれていた時がありました。

今では、ポリープから胃がんになってもせいぜい3~5パーセントと考えられています。

胃の中に突出してくる病変にはいろいろなものがあって、現在ではこれらの病変をひとまとめにして胃隆性病変というようになりました。

胃隆性病変は、胃のポリープのかたちによってⅠ~Ⅳに分類されています。

Ⅳで大きさが20ミリ以上になって、初めてがんが出てきます。




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逆流性食道炎と胃もたれ

逆流性食道炎でよくある胸やけと胃もたれの症状は合併していることが多くあります。

胃もたれは胃の動きが悪くなる機能性胃腸症の症状が強ければ無理に食べずに水分だけを摂るようにしてみてください。

胃がからっぽの状態になると胃酸過多の状態になって、逆流性食道炎の症状がひどくなる可能性がありますので、少量の食事でも食べられるようになったら、できるだけ食べるようにしましょう。

バナナと牛乳は胃に負担が少なく、適度にエネルギーが摂れるのでおススメです。

このほか、うどん、おかゆ、煮物など自分で食べられそうなものがあれば、無理をせずに少しずつ召し上がるようにしてください。




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胃炎と胃もたれの違い

胃もたれは、胃への残留感が具合の良し悪しにかかわってきます。原因も消化不良によるものが多いです。

胃炎は、胃の粘膜が炎症を起こしていることによって起こるものです。

胃に刺激が与えられると胃の粘膜に炎症を起こします。

胃炎には「急性胃炎」と「慢性胃炎」の2種類があります。

慢性胃炎はピロリ菌が主な原因といわれており、胃の粘膜に長びく異変が生じるものです。

胃炎の場合の粘膜の状態は様々で、キズとして認識できるものから、色の変化だけのもの、萎縮が生じたものがあります。

急性胃炎は様々な原因で起きる胃粘膜の炎症によって起こるもので、日常的にもなりやすい病気と言えます。香辛料を取りすぎたり、風邪薬などが原因で急性胃炎になることもあります。

急性胃炎は数日安静にしていれば治りますが、繰り返すと慢性胃炎になります。胃炎の症状にも個人差がありるのであまり症状がない人もいますし、痛みを感じる人もいます。

ストレスが多い日常生活に大きく関わる病気と言えるでしょう。悩みやストレスなどに影響を受けやすい病気なのです。

急性の疾患や外傷などが原因で起こる場合もありますので、胃における血液の循環が悪くなって胃の粘膜を修復する能力が低下した場合でも胃炎は起こると考えられます。

胃炎が長引く場合や痛みが酷い時などは自分で判断せず、医師に診てもらうようにして下さい。



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胃痛の原因

胃痛の原因というのは様々で、痛みも人によって感じ方が違います。

胃痛は胃壁の内側の部分の末梢神経が胃酸によって刺激されることによって起こります。

食べ過ぎなどによる胃の痛みと胃潰瘍などの疾患による胃の痛みでは、違うものになります。

胃潰瘍などで胃がただれてしまっている時は焼けるように胃が痛み、それが短時間というのが特徴になりますが、食べ過ぎによる胃痛の場合は胃が満腹で、お腹がつっぱって感じる痛みになります。

胃痛の一番多い原因と言われているのは胃酸が出過ぎることで、胃の粘膜が炎症を起こすです。

この状態が長く続くと、胃潰瘍などの胃の病気になる可能性があります。また胃粘液分泌が低下することによっても胃痛が起こります。

胃の粘膜は通常、胃粘液に覆われているので胃酸などの刺激から守ってくれますが、これが食べ過ぎやストレスなどによって胃の働きが弱まり粘液が減ってしまうと、胃粘膜が胃酸に刺激されて炎症を起こします。

胃痛になる要因には様々なことが考えられますが、最も多いとされるのは精神的なストレスによるものです。

仕事の悩みなどを抱え胃痛がするということは少なくありません。ストレスというのは人それぞれ感じ方も違えば症状も異なります。そのため自分に合った予防法、治療法、ストレス解消法を見つけることが大切になります。

胃の痛みがあるときは胃の負担を軽減するように、一度に食べる量を少なめにするなどして対処するようにしましょう。



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胃痛:こんな症状があれば要注意

通常の胃痛に加えて、上腹部にもたれや不快感がある、特に空腹時や夜間にみぞおちあたりが痛むような場合には、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を疑うべきだと言えます。

放置しておくと貧血症状が出たり、最悪の場合、重い合併症を引き起こすこともあるので、症状が少しでも長引くようなことがあれば専門医の診察を受けられることをおすすめします。

さらに胃ガンでもみぞおち辺りの痛みを伴うケースが多く、食後の胸焼けやげっぷにとどまらず、吐き気や食欲不振、腹部の張りなどの症状が見られるような場合には、サプリメントによる症状改善にこだわることなく、躊躇せずに専門医の診察を受けるようにしてください。

胃ガンは早期発見・早期治療が肝心ですので!



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胃炎と胃もたれの違い

胃もたれは胃への残留感が具合の良し悪しにかかわって、原因も消化不良によるものが多いです。

胃炎というのは、胃の粘膜が炎症を起こしていることによって起こるものです。胃に刺激が与えられると胃の粘膜に炎症を起こすのです。胃炎には「急性胃炎」と「慢性胃炎」の2種類があります。

慢性胃炎はピロリ菌が主な原因といわれており、胃の粘膜に長びく異変が生じるものです。

胃炎の場合の粘膜の状態は様々で、実際にキズとして認識できるものから、色の変化だけのもの、萎縮が生じたものがあり、それらが混ざりあっているものもあります。

急性胃炎は様々な原因で起きる胃粘膜の炎症によって起こるもので、日常的にもなりやすい病気と言えます。香辛料を取りすぎたり、風邪薬などが原因で急性胃炎になることもあります。

急性胃炎は数日安静にしていれば治りますが、繰り返すと慢性胃炎になります。

胃炎の症状にも個人差がありるのであまり症状がない人もいますし、かなりの痛みを感じる人もいます。

ストレスによって起こることが多いので日常生活に大きく関わる病気と言えます。

仕事や付き合いなどによる悩みやストレスなどに影響を受けやすい病気です。

急性の疾患や外傷などが原因で起こる場合もありますので、胃における血液の循環が悪くなって胃の粘膜を修復する能力が低下した場合でも胃炎は起こると考えられます。




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食後の胃痛と胸やけ

食後というのは食べたものをきちんと消化するために、胃の中で胃酸が分泌されます。

食べ物と胃酸を混ぜて腸に運ぶます。

胃酸を出すために胃は沢山働きますが、胃に潰瘍がある場合、胃に食物が運ばれてくると胃液が出たり蠕動運動を起こしたりするので、潰瘍になっている部分に痛みが起こるのです。

また胃の働きが正常に行われていないと胃に負担がかかってしまい、過剰に分泌された胃酸が胃の粘膜までを傷つけてしまうので胃に痛みが生じます。

強力な酸が含まれている胃液から胃壁を守るために、分泌されている粘液と胃液のバランスが崩れると胃酸によって胃壁はやられてしまうのです。

始めの頃は胃壁の粘膜層の表面が多少ただれる程度ですが、症状が進むと粘膜層や様々な場所に穴が空いてしまう可能性がありますし、穴が胃壁を突き抜けることなどもあるので早めに病院へ行くようにしましょう。

食べ過ぎや飲みすぎから胃痛や胸やけになったという経験がある方は多いと思いますが、胃へ大きな負担がかかる食べ物を食べた場合は潰瘍などがなくてもその食べ物が直接的な原因となり、食後に胃痛や胸焼けを引き起こすことがあります。

胃潰瘍による胃痛は食後すぐということではなくて、食後30分ほどから痛みだすと言われているので目安にしてみてください。




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胃にまつわることわざ

空腹時・飲酒の前・胃が痛くなったら牛乳を飲むと良い
その通りです。潰瘍や炎症など、胃や十二指腸に傷ができている場合、胃酸に刺激されて痛むので、牛乳で胃の表面を保護することができるからです。
また、物を食べることで酸を中和するという意味もあります。


腹八分目・腹も身のうち
お腹いっぱい食べて“十分目”だと思っていると、胃によっては“十二分目”になることがあります。ほんとうに“腹も身のうち”です。


食べてすぐ寝るとウシになる
食事の後、横になって休むのは良いことです。しかし、眠ってしまうと胃の動きが弱まり、食べ物が消化されにくくなります。
食後には散歩程度の運動をしたほうが消化にも良いのです。


右側を下にして寝ると消化に良い
胃から十二指腸への出口が体の右側にあるので、右下で寝ると食べたものが腸の方へ流れ易くなるといわれています。胃下垂の人、胃の働きの弱い人はお試しください。


うなぎと梅干し、スイカと天ぷらなどの食べ合わせは良くない
普通に食べていれば心配はありません。どんな食べ合わせでも食べすぎは禁物!



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胃痙攣とは

胃痙攣とは、みぞおち当たりに起こる急性の痛みで、症状に対する俗称です。病名ではありません。

原因

急性虫垂炎、急性膵炎、急性胃炎、急性胃・十二指腸潰瘍、胃潰瘍、胆石症、急性胆嚢炎などが原因となります。また、強いストレスで緊張しすぎた時にも起こることがあります。

症状

突然のみぞおちあたりの激しい痛みが起こるのが普通ですが、吐き気や嘔吐を伴うことのあります。痛みは数分から数時間と様々です。

治療

治療は、原因となる病気を特定して行われます。血液検査や尿検査、X腺画像検査、超音波検査、内視鏡検査などで胃痙攣の原因を調べます。

症状に関しては、軽い場合は市販の胃薬で改善することもありますが、改善しない場合は、痛みをやわらげるために鎮痛鎮痙剤が使用されます。




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胃痙攣(いけいれん)の物理的な原因

胃痙攣は上腹部が激しく差し込むような周期的な強い痛みを伴います。

ストレスなどで過度に緊張した時に起きることが多いです。

胃痙攣の原因

◇ 急性膵炎

◇ 胃潰瘍や十二指腸潰瘍

◇ 急性虫垂炎

◇ 胆石症などの胆道性疾患

◇ 腹部動脈血行障害

◇ 急性虫垂炎

※ 胃痙攣の物理的原因としては上記以外にも様々ですが、 内視鏡検査などで上記のような器質的な疾患がないかどうか調べる必要があります。


二次的な現象で実際には胃が悪くないのに、胃に激しく差し込むような痛みや不快感を感じているケースが実に多いです。

これは横隔膜の位置異常で、すぐ下にある胃を横隔膜の圧迫による刺激で胃に痛みや不快感を感じています。

このケースでは胃の細胞から胃粘膜までの損傷を伴っていませんから横隔膜さえ定位置に戻れば鋭い胃の痛みからは解放されます。

首の骨の頚椎4番から出て横隔神経は横隔膜へ向かって流れており、横隔膜は体の中で一番大きな面積を有する筋肉ですから横隔膜の位置異常により胃に多大な刺激を与えてしまいます。

横隔膜の位置異常より二次的に胃を刺激しているケースは目立って多いのですが、横隔膜の位置異常が原因ですぐ上にある心臓や心臓から出て横隔膜を突き抜けている腹大動脈を刺激して、実際には心臓が悪くないのに二次的に動悸や不整脈を起こしているケースもあります。



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胃がんに効果的な栄養素

玄米や全粒小麦などでつくったパンには、ビタミンB群やビタミンE、抗酸化物質が含まれているため、ガンの症状や体質の改善に役立ちます。

動物性のたんぱく質や脂肪に関しては、過剰摂取は良くないので、適量を摂取するか、少し控えることをお勧めします。

大豆製品にはイソフラボンが含まれており、これは、ガンの抑制効果につながるため、積極的に摂ると効果的です。

キノコ類はβ-グルガンが含まれており、海藻類には、フコイダンという免疫力をアップさせる成分が含まれており、食物繊維が豊富です。

ガンを抑制させるためには、塩分を控えて、カリウムを多く摂ることが、効果的です。

そのためには、緑黄色野菜や果物を多めに食べることがポイントです。

術後は生野菜を食べることが難しくなるため、加熱処理をおこなうことになります。

酵素やビタミンCが失われてしまうことにもなりますが、食事にも慣れてきた頃、生で野菜を食べ、これらの栄養素を摂ることも大切です。




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