ココアの遊離脂肪酸がピロリ菌を倒す

ココアの原料であるカカオマスはカカオの種子を発酵させ、コーヒーのように焙煎させたものです。

カカオマスの成分の半分以上はカカオバターと呼ばれる油脂分ですので、この油脂分を取り除いて、種皮と胚芽を取り除いた後にすり潰したものがココアパウダーになります。

また、ココアパウダーの重さの約1/4以上は食物繊維が占めます。

食物繊維は腸内で消化吸収を助ける善玉菌の栄養分になってくれますし、胃腸で分解されずに排泄を改善する働きもあります。

赤ワインに含まれる成分で有名なポリフェノールが、ココアにも豊富に含まれています。

ポリフェノールは有害な活性酸素を除去しますし、血液をサラサラにしてくれます。同時に基礎代謝を高めて、脂肪の吸収を抑制してくれます。

ココアの中でピロリ菌を除去できる効果がある成分は、オレイン酸とリノール酸を代表とする遊離脂肪酸です。

遊離脂肪酸は「カカオFFA」とも呼ばれ、カカオ豆を発酵したり、ココアの製造過程で作られるものです。そのカカオFFAがピロリ菌を殺菌する仕組みは以下の通りです。

1 ココアのカカオFFAが胃の中のピロリ菌に接触します。
2 カカオFFAがピロリ菌の細胞膜に攻撃をします。
3 ダメージを受けたピロリ菌は徐々に弱まります。
4 ピロリ菌は形を変えて、胃から排出されます。


ピロリ菌を死滅させるためには、カカオFFAのようにピロリ菌の細胞膜に侵入しダメージを与えたり、ピロリ菌を守っているウレアーゼを除去したりして、殺菌をしなければいけません。

カカオマスを含むコーヒーなどでもココアに似た殺菌効果がありますが、ココアの方が効果は高く、実に3倍以上になります。

緑茶、ウーロン茶、紅茶などにはピロリ菌の除菌効果はありませんでした。

カカオFFAにピロリ菌を死滅させる作用があることは、森永製菓の研究で判明しました。その森永製菓ではピロリ菌を減少させる成分を2倍以上に強化したココアが販売されています。




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