胃がんの名医・病院

慶応義塾大学病院
北島政樹医師

国内で最初の「遠隔内視鏡手術ロボット」の導入で究極の低侵襲手術を実現した、世界的に有名な胃がんの名医です。福岡ダイエーホークスの王監督の胃がん手術の執刀を担当したことでも有名です。


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癌研究会有明病院
福永哲医師

全国的に有名な胃がんの名医で、国内で最も古くから「がん」という病を研究し続けています。また腹腔鏡手術のスペシャリストと言われています。


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亀田総合病院
加納宣康医師

日本を代表する消化器外科医師の一人で、開腹手術は約1000症例以上、内視鏡下術でも約800症例以上で、中でも内視鏡下術式においては世界的な権威と言われています。手術技術はその神業的と言われ、多くの医師も訪れるそうです。


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国立がんセンター中央病院
笹子三津留医師

後藤田卓志医師
笹子医師、後藤田医師ともに全国屈指の実績を誇り、胃がんに関する最高峰の外科医と言われています。


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虎ノ門病院
宇田川晴司医師

常に理性的に正しい判断を追求し、患者さんにも優しいと評価は極めて高い医師です。また虎の門病院も「食道がん」「胃がん」において定評のある病院とされています。


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藤田保健衛生大学病院
宇山一朗医師

がん手術の名医として知られ、中でも腹腔鏡手術を得意としています。早期胃がんはもちろん、進行胃がんでも術前抗がん剤療法と拡大手術を併用させ、手術後のQOLを考慮した治療方法の工夫などに取組み良好な成績を得ています。


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愛知県がんセンター
山村義孝医師

日本胃癌学会の会長でもあり、胃がん手術において約2,500例を超える経験豊富な医師です。また、化学療法にも経験豊富で、ステージの高い進行がんの患者に対しても希望を与えてくれる名医として知られています。


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国立病院機構大阪医療センター
辻仲利政医師

手術の名手と言われ、辻仲医師の率いる外科チームの実力は高く評価されています。また国立病院機構大阪医療センターも胃がんの年間入院患者数は約500名にも及び、行われる術数も豊富です。


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大阪医科大学付属病院
谷川允彦医師

全国的に有名な開腹手術の名医で、胃がんにおける開腹手術は約2000症例を超しています。また内視鏡的手術においても、約350症例に及ぶ経験豊富な医師です。


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市立堺病院
古河洋医師

手をつけられないスキルス胃がんに対しても、卓越した手術で5年生存率約45%と、他の医師では見られないような驚異的な実績を誇っています。手術成功例約3,500例以上と言う胃がん治療のスペシャリストと言われています。



           

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胃がんの遺伝の可能性

胃がんの遺伝性はスキルス性胃がんにおいて指摘されています。

スキルス性胃がんとは、筋層から外側にかけてできてしまうもので、リンパ液や血液からほかのリンパ節、臓器への転移が進行しやすい進行がんと言われています。

胃がんの遺伝性とは、スキルス性胃がんにかかりやすい家系であるということです。

胃がんに関係する遺伝子はいくつかありますが、そのなかでもCDH1遺伝子の働きに、スキルス性胃がんとの関係性が指摘されています。

本来たんぱく質を作り出すはずのCDH1遺伝子が、胃の内部で突然変異をしてがん細胞化してしまうことにより、胃の中に広がってしまうのです。

そしてこのCDH1遺伝子の突然変異をする性質が、胃がんが遺伝と言われる原因ではないかと考えられています。

遺伝子以外にも、食生活の面から胃がんになりやすい家族、家系はあります。
胃がんの原因である喫煙、熱い食べ物、辛い食べ物を多く摂る生活を送っている場合です。

家族全員が胃がんの原因とも言われるこのような食生活、習慣も何年も続けていれば、胃がんになる可能性は蓄積され続け、胃がんが発症してしまうことになります。

胃がんを招く原因は、遺伝的なものと、食生活や習慣にあると考えられています。

家族や親戚にスキルス性胃がんにかかったことがある方がいる場合には、人間ドックや健康診断などで定期的に自分の身体の調子を確認するとよいでしょう。




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胃の病気:急性胃炎

急性胃炎は、様々な原因で、胃の粘膜に炎症をおこす病気で、急激に発症します。

浮腫、出血、潰瘍を起こしていることもあります。

潰瘍は粘膜の欠損が下の層に進んで、陥没した状態です。

みぞおちのあたりの急激な痛みなどがあり、検査の結果、胃の粘膜に異常が認められ、急性胃炎、急性潰瘍をともなうものを急性胃粘膜病変といいます。

内視鏡検査が普及し、粘膜の様子を詳しく観察できるようになりました。ストレスとAGMLには関係があるとされています。

症状

心窩部痛、胃部膨満感、むかつき、嘔吐、吐血、下血


原因
原因として、アルコールの飲みすぎ、医薬品、化学的毒物、放射線、細菌、食中毒、ピロリ菌などがあります。インフルエンザなどの感染症、急性化膿性胃炎、アレルギー性胃炎、ストレスなども原因となります。

ストレスが胃の粘膜を荒らす原因のひとつは次のように考えられています。

ストレス刺激が脳に伝わると、脳から胃酸の分泌を促す信号が送られ、胃の運動を盛んにします。さらに、胃粘膜の血流が減少します。正常な状態では、粘液などが粘膜を保護する力を持っています。しかし、このような状態では、粘膜保護作用が減少し、粘膜が荒れてしまうと考えられています。


検査
内視鏡検査胃粘膜の状態を観察します。不整形、地図状のびらんや潰瘍が見られる特徴があります。

薬物療法
むかつき、嘔吐がひどければ、食事を取らず点滴による栄養補給を行います。また、胃酸分泌を抑える薬、胃粘膜を修復する薬などで治療をします。出血がある場合は止血剤を用います。状態や治療によりますが、比較的早期に治ります。




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胃の病気:胃潰瘍

潰瘍は胃の粘膜の下にある筋層まで傷つく状態です。胃潰瘍には、急性胃潰瘍と慢性胃潰瘍があります。急性胃潰瘍は、浅い不整形の潰瘍やびらんが多発し、慢性胃潰瘍は、円形で単発する傾向があります。ほとんどは早期に治りますが、再発を繰り返すこともあります。40~50歳代に多く発症します。

<症状>
食後少し時間が経過すると心窩部痛、背中の痛みが起こり、軽食をとると軽快する傾向にあります。このような症状は、潰瘍の活動期に起こり、治癒期には無症状です。潰瘍の増悪期には、食後や空腹時を問わず痛むことがあります。高齢者では胃潰瘍の出血が、心筋梗塞や狭心症の引き金になることもあります。

<原因>
胃酸の消化作用によって、自分の粘膜が攻撃されるために起こります。胃粘膜を守る働き(表面上皮と粘液)と胃粘膜を攻撃する力(胃液中の胃酸やペプシン)のバランスがくずれ、攻撃側が優位になった状態によるものです。
また、胃潰瘍の70~90%でヘリコバクター・ピロリ菌が発見されています。

<検査>
X線造影検査
潰瘍の輪郭、潰瘍のまわりの粘膜・胃壁の様子を観察します。

内視鏡検査
潰瘍の状態を観察し、病気がどのレベルまで進んでいるか観察します。

<治療>
生活習慣の改善過労やストレスを避けます。出血や胃痛など症状のひどいときは、禁酒、禁煙また、胃酸の分泌を促進する食べ物(焼肉、コーヒー、濃い紅茶や緑茶、アルコール、強い香辛料)をひかえるようにします。脂肪性の食品や繊維の多い食べ物は、消化に負担がかかるので、避けるほうが賢明でしょう。同時に食事時間が不規則にならないように注意します。

薬物療法
胃酸の分泌を抑え、胃の粘膜を修復する薬剤により治療します。
ヘリコバクター・ピロリ菌に感染し、再発を繰り返している場合には、胃酸分泌を抑制する薬と2種類の抗生物質を使用した「ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌療法」が行われています。完治した後も再発を防ぐため、胃酸の分泌を抑制する薬や胃粘膜を修復する薬を継続してのみます。

手術
出血性の潰瘍の場合は、内視鏡的止血法が多く行われるようになっています。そのため、従来の外科的治療は激減しています。




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胃の病気:胃下垂

胃が正常な位置より常に下がっている状態を胃下垂といいます。

おなかの壁の脂肪不足や腹部圧力が低下している痩せ型の人におこります。

多くは胃の動きが低下し、胃の働きが弱った状態を伴っています。

先天的な素因によるところが大きく、必ずしも病気とはいえませんが、暴飲暴食、過労、ストレスなどが引き金になって胃の働きが弱り症状が現れやすくなります。

体型とも関係があり、一般に女性に多く見られます。胃下垂になると食べたものが胃の中に正常より長くたまった状態になり、消化に負担がかかります。

一般に自覚症状はないことが多いのですが、胃部膨満感や上部腹痛、少量の食事で満腹感を感じる、食後の胃のもたれやむかつきを感じることがあります。


X線検査
��線にて胃の位置を確認します。胃下垂の場合は、骨盤腔内まで下がった胃が確認されます。

胃下垂は体質的なものなので、多くの場合、治療の必要はありません。暴飲暴食、過労、ストレスを避けてバランスのとれた食事をとり、過度に熱いものや冷たいものはなるべくひかえます。

薬物療法
胃腸機能調整薬、消化酵素剤などを使用することもあります。




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胃の病気:アニサキス

アニサキスの成虫はクジラなどに寄生する寄生虫です。幼虫はオキアミを経てサバ、アジ、イワシ、イカなど様々な魚に寄生して感染幼虫になります。

日本人は魚を生で食べる習慣があるので、他の国の人に比べて、感染率が高くなっています。人の体内に入った幼虫は成虫にならずに、胃や腸で好酸球性肉芽腫という病変をおこします。

予防は火を通して魚を食べることです。また、マイナス20度以下で24時間以上冷凍すればアニサキスの幼虫は死滅するので、冷凍保存されたものを食べると安全です。

症状
生の魚を食べた6~9時間後に嘔吐や腹痛が起こります。これらの症状は治まりますが、10日くらいで、胃壁や腸壁に好酸球性肉芽腫ができます。
幼虫が消化管の壁に穴をあけると激しい腹痛がおき、重症になります。


原因
アニサキスが寄生した魚の生食

検査
血液検査:
血清反応でアニサキスの有無を診断します。

内視鏡検査:
胃や腸内に好酸球性肉芽腫やアニサキスの有無を直接調べます。

X線:
アニサキスを直接探します。

治療
手術:
初期であれば内視鏡で虫体を摘出(てきしゅつ)します。肉芽腫は2ヵ月程度で、自然に治ります。




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胃の病気:萎縮性胃炎

萎縮性胃炎は、胃が老化して粘膜が薄くなった状態です。

内視鏡で見ると粘膜が薄くなって、下の血管が薄く透き通って見えてきます。子どもの肌と中高年の肌に明らかな違いがあるのと同じで、ある程度の老化は誰にも避けられません。

単なる老化とは別に、ピロリ菌に感染していると慢性活動胃炎を起こし、さらに委縮性胃炎へと進んでいくことが判明してきました。

自然治癒は難しいのですが、ピロリ菌を除菌すると回復してきます。ですから、ピロリ菌に感染しているかどうかの検査を受けて、陽性であれば除菌をおススメします。


ピロリ菌①感染経路・除菌方法

慢性胃炎
 萎縮性胃炎には、軽度、中等度、重度と段階があり、重度になると、そこから胃ガンが発生するリスクが高くなってきますから、定期検診だけは欠かさないようにしましょう。

 日常生活での注意点は、萎縮性胃炎の状態では、消化液の分泌が少ないため、できるだけ胃に負担をかけない食生活を心がけてください。1日3回の規則正しい食事、脂っこいものなど消化の悪いものや香辛料など刺激の強いものは控えめにすることが大切です。





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胃の病気:胃肉腫

胃肉腫の症状
胃肉腫は胃の粘膜下に腫瘍が発生する病気で、胃肉腫の約2/3が「悪性リンパ系胃肉腫」、約1/3が「胃平滑筋肉腫」と言われています。

悪性リンパ系胃肉腫は悪性のリンパ腫が発生する病気です。症状は食欲不振、吐き気、痛み、吐血や下血、体重減少があります。

自覚症状から診断することは困難で、胃癌との見分けがつきにくい病気です。原因ははっきりとは判明していません。

胃平滑筋肉腫は良性のリンパ腫が胃粘膜の下に発生する病気です。

「平滑筋」とは自律神経の作用で収縮する筋肉のことで、中でも胃平滑筋にある腫瘍は大きくなると、胃の粘膜を突き破って悪性腫瘍に変わりやすいです。

貧血や吐血をするほと悪化しないと症状に気付きにくいのも特徴です。

ピロリ菌が原因で胃肉腫になることはないものの、ピロリ菌が存在すると胃肉腫を誘発するとされています。


胃肉腫の治療
胃肉腫は消化管X線検査や内視鏡検査で発見できます。内視鏡で観察と同時に組織を採取し、良性か悪性の判断をします。

腫瘍が大きくなると、胃のしこりに触れることができますが、胃の粘膜を破って潰瘍を作るまでは、症状は自覚できずに胃潰瘍のような激痛もありません。

悪性リンパ系胃肉腫の治療では、悪い部分を残さないように切除術を行うのが基本です。その時期や細胞の種類によって、ピロリ菌の除菌や抗がん薬を併用した化学療法が選択されることもあります。

胃平滑筋肉腫の治療では放射線療法が無効のため、こちらも悪性リンパ系胃肉腫同様に切除術が主体となります。

手術でも腫瘍を取りきれないこともあり、死亡率の高い腫瘍です。5年生存率は10~30%とも言われています。

放っておくと悪化して死亡する可能性が高いので、緊急に処置をしないといけません。




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胃の病気:胃リンパ腫

胃の悪性疾患ではがんについで多い病気です。

それでも胃がんの1/20以下の発生率で、まれな病気といえます。

胃のリンパ装置が腫瘍化し、進行すると全身に転移し生命を奪います。潰瘍を作るもの、隆起が目立つものなどいろいろな型があり、細胞の診断も癌より難しく、確定診断には専門医の知識と経験が必要です。

症状としては潰瘍を作るタイプでは胃痛、胸やけなどがありますが、無症状のものが少なくありません。

治療の基本は早期に発見して外科的に胃を全て切除します。

最近はピロリー菌と関連するものがあり、ピロリー菌を薬で殺すことで治るリンパ腫があることが分かってきています。




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胃の病気:胃切除後症候群

胃切除後症候群の症状
胃切除後症候群は胃の切除後に食事に障害が起きる病気で、胃の手術を受けた人が食事を始めてから数時間のうちに発症します。

原因は手術によって胃を取り除いたため、食べ物を貯める機能が欠如することです。

胃で消化されない食べ物や濃い糖分が、急速に小腸に行くために、小腸の運動や血液循環に異常をきたしやすくなります。

基本的にはめまい、動悸、全身倦怠感、失神発作、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの症状が起こりやすいです。

胃切除後症候群にはダンピング症候群、小胃症状、食事性障害、逆流性食道炎、吻合部潰瘍などの総称でもあります。

食べる量が減り、体重減少や栄養不足による貧血や低血圧が見られることが多いです。

胃切除後症候群の治療
食事は胃が回復してきたらジュースや流動食は避け、高タンパク、高カロリー、高栄養素の食事を摂取します。

特定の食品を食べると気持ちが悪くなることがあります。例えば、カルシウムが不足しがちなので牛乳が摂りたいのですが、下痢をすることも多いです。

このときは必ず温めて飲む、料理に牛乳を使用する、ヨーグルトやチーズで代用するといった工夫をします。

食後は安静して、食物がゆっくり移行するようにします。重症の場合は再手術をすることもあります





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胃の病気:急性胃拡張

急性胃拡張の症状
急性胃拡張は胃に内容物が停滞して、急性的に胃の容積が拡大する病気です。食事後にお腹が張る膨満感にも用いられるケースもありますが、正式な急性胃拡張とは言えません。

体は口から肛門に食べ物を送り出すように動いていますが、急性胃拡張になると胃の筋肉の動きが麻痺して、胃が膨らんだ状態になります。

胃の中の食べ物を腸に押し出すことができずに、胃の中に食べ物が貯まる極めて危険な状態です。腸に流れていたものが胃に逆流してくることもあります。

症状は腹部膨満感、嘔吐、脱水によるショック症状が起こります。

嘔吐も頻発に少しずつ溢れるようになり、容易には止まりません。緑褐色の液体を大量に吐き出し、時間が経つと黒褐色のものを吐きます。

水分と電解質を大量に失うために、無欲状態、痙攣なども起こります。

放置すると胃が巨大化して、他の臓器を圧迫したり、呼吸ができなくなったりします。


急性胃拡張の治療
腹部のレントゲン検査で拡張した胃のガス像を簡単に確認することができますが、負担が少ない腹部超音波検査でも拡張した胃がわかります。

急性胃拡張は原因を見つけることが治療につながりますので、血液検査や尿検査、胃内視鏡検査も実施されます。

急性胃拡張が激しい場合は即時に胃の中に溜まっている内容物をチューブで吸引し、外に出してあげます。

さらに電解質の補整、タンパク質の補給、血糖のコントロールも行います。処置後は禁食で胃腸を安静にして、点滴で経過を見ます。

以前は死亡率が60~70%とも言われていましたが、現在では病気の発見が早く、適切な治療が行われれば、ほとんど治癒します。

胃癌などのために食物やガスの停留が起こることが多いですし、肺炎や急性伝染病などの重症感染症、脊髄損傷、腹部外傷、腹部のギプス包帯固定後などでも発症します。




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ピロリ菌は口から侵入してくる

衛生状態の悪い地域ではピロリ菌に感染する確率が高いことが判明しています。水道管の内部に菌が繁殖しているケースがあるとのことです。

ピロリ菌は「生物の胃の中からしか見つかっていない」とされていますが、細菌が繁殖しやすい環境にも確実に存在します。衛生状態が悪い地域では、糞便からも感染が報告されているくらいです。

日本の水道環境は安全ですが、50歳以上の人は子供の頃に感染している可能性があり、その確率は50~70%以上とも言われています。

食べ物や飲み物からも感染しやすいと考えられていて、基本的に口から侵入する経口感染がピロリ菌の侵入経路とされています。




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ピロリ菌で胃癌が5~6倍に

最近の研究ではピロリ菌の陽性例では2.9%に胃癌が発見され、ピロリ菌の陰性例では胃癌が全く認められませんでした。

胃癌の場合にピロリ菌が存在する確率は100%に近く何らかの性質が胃癌を誘発するとしています。

今までピロリ菌で胃癌になる確率は5~6倍とされてきましたが、その理由ははっきりしていませんでした。

注目されているのが、99年に自らが発見したAIDという酵素。 

この酵素は、多様な外的に対して様々な抗体を作るようにBリンパ球という免疫細胞の遺伝子に突然変異を誘導する働きを持ちます。

つまり、AIDが存在すると細胞が変異して、癌化することを指しています。

ピロリ菌は幼児時に経口感染し、胃に数十年住み続けて、大人になってから慢性胃炎を発症させます。日本では40代以上の70%が感染しているので、早めのピロリ菌の除菌が望ましいです。




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ココアの遊離脂肪酸がピロリ菌を倒す

ココアの原料であるカカオマスはカカオの種子を発酵させ、コーヒーのように焙煎させたものです。

カカオマスの成分の半分以上はカカオバターと呼ばれる油脂分ですので、この油脂分を取り除いて、種皮と胚芽を取り除いた後にすり潰したものがココアパウダーになります。

また、ココアパウダーの重さの約1/4以上は食物繊維が占めます。

食物繊維は腸内で消化吸収を助ける善玉菌の栄養分になってくれますし、胃腸で分解されずに排泄を改善する働きもあります。

赤ワインに含まれる成分で有名なポリフェノールが、ココアにも豊富に含まれています。

ポリフェノールは有害な活性酸素を除去しますし、血液をサラサラにしてくれます。同時に基礎代謝を高めて、脂肪の吸収を抑制してくれます。

ココアの中でピロリ菌を除去できる効果がある成分は、オレイン酸とリノール酸を代表とする遊離脂肪酸です。

遊離脂肪酸は「カカオFFA」とも呼ばれ、カカオ豆を発酵したり、ココアの製造過程で作られるものです。そのカカオFFAがピロリ菌を殺菌する仕組みは以下の通りです。

1 ココアのカカオFFAが胃の中のピロリ菌に接触します。
2 カカオFFAがピロリ菌の細胞膜に攻撃をします。
3 ダメージを受けたピロリ菌は徐々に弱まります。
4 ピロリ菌は形を変えて、胃から排出されます。


ピロリ菌を死滅させるためには、カカオFFAのようにピロリ菌の細胞膜に侵入しダメージを与えたり、ピロリ菌を守っているウレアーゼを除去したりして、殺菌をしなければいけません。

カカオマスを含むコーヒーなどでもココアに似た殺菌効果がありますが、ココアの方が効果は高く、実に3倍以上になります。

緑茶、ウーロン茶、紅茶などにはピロリ菌の除菌効果はありませんでした。

カカオFFAにピロリ菌を死滅させる作用があることは、森永製菓の研究で判明しました。その森永製菓ではピロリ菌を減少させる成分を2倍以上に強化したココアが販売されています。




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胃がんになりやすい食事

胃がんになりやすい食事とは、どのような食事なのでしょうか。

胃がんは、日本において、発症率の高いがんの1つです。

その理由として、高塩分の食事が考えられます。とくに、塩魚や漬物といった塩分の高い食事は、胃の粘膜に負担をかけてしまいます。

少し前の北陸や東北では、胃がんの患者さんが、非常にたくさんいらっしゃいました。

それは、この地方特有の食生活にありました。この地域は、冬が長く、雪におおわれているため、食物を塩漬けにする習慣がありました。

現在は、新鮮な野菜や果物が年中食べられるので、そのようなことはありませんが、以前は、塩分をたくさん使用した食品が、テーブルに並ぶことが多くあったため、このような状況でした。

胃がんは、食生活との関わりが大きく、食生活を見直すことで、予防も可能です。最近の研究では、野菜や果物の摂取が、胃がん予防に有効であるというデータもあります。

これらの野菜や果物に含まれるβカロチンやビタミンC、ビタミンEなどが、細胞に傷がつくのを防いでくれます。そして、冷蔵庫の普及が、食べ物を塩漬けにしなくても良くなり、新鮮な野菜や果物が、年中手に入るようにもなりました。

このように、高塩分の食事は、とくに胃がんに関しては、ハイリスクになっています。少しでも、塩分を控える食事に切り替え、さまざまな種類の野菜や果物を食べることが、胃がん予防につながります。




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胃がん 予防のための食事

胃は、食べ物を消化する働きをする場所であることから、食生活との関わり方も深く、胃がん予防には食生活が大きく影響しています。

胃がん予防の1つとして、食生活を見直してみましょう。

まず、胃がん予防には、塩分を控えることが大切です。

塩分の過剰摂取は、胃の粘膜を傷つけてしまいます。

この状態を繰り返すと、胃に負担がかかり、ガン化することもあります。

そして、喫煙、多量のアルコール摂取も、できるだけ控えましょう。これらも、たばこを吸わない人や、お酒を飲まない人に比べ、胃がんのリスクを高めます。その差は、約3倍から5倍と言われています。

そして、焦げた食品や、カビの生えた食品も、避けるようにしましょう。これらの胃がんの原因となるようなものを避け、予防効果のあるものを積極的に摂取することで、がんを予防することにつながります。

がんの予防に良いとされる野菜を、たくさん食べることも、お勧めします。野菜に含まれるビタミン、βカロチンなどは、活性酸素の発生を、抑える効果があります。

野菜を良く食べる人は、食べない人に比べ、胃がんの発症率が、半分以下となっています。

また、果物においても、食べる人の方が、食べない人に比べ、がんの発症率が約30%低いというデータがあります。

このように、食生活を見直すだけでも、胃がんの予防効果は、かなり高まります。



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悪性度の高いスキルス胃がんとは

スキルス胃がんとは胃がんの種類の中で最も悪性度の高いがんとされています。

スキルス胃がんは、他の胃がんと同じように粘膜から発生します。
あまり粘膜面の変化をおこさないまま胃壁の中を広く浸潤していきます。

スキルス胃がんは胃がんの中でも約10%の割合を占めていて30代、40代の女性の方によく見られています。

すでに発見された時点で約60%の人は腹膜転移や広範なリンパ節転移をともなっています。

手術をしてがん細胞を切除できたとしても再発生率が高いがんということになります。



スキルス胃がんの悪質な特徴
1)発見されにくい
2)進行が早い
3)転移しやすい


通常胃がんは、内視鏡検査で初期症状が発見されます。
スキルス胃がんは胃の粘膜表面の異常が少ないため内視鏡検査では見つけにくくなっています。

体調に不安を訴えて気付いたときにはがんが進行してしまっているといったパターンがほとんどなのです。

手術が難しいスキルス胃がん

スキルス胃がんに特徴的な転移が腹膜播腫です。

腹膜播腫とは、簡単にいえば内臓を包む腹膜にがんが散らばって転移した状態のことを言います。

がん細胞が胃壁を貫いていちばん外側の漿膜を越えて外に出てしまい、バラバラと腹膜にこぼれ落ちていきます。

がんのステージでいうと最終段階にきている状態です。

スキルス胃がんに掛かった人の約半数の人が腹膜播腫と言われていることからかなりの確率でこの腹膜播腫は出現することがわかります。

手術と抗がん剤、温熱療法を組み合わせた治療法が効果的とされています。

手術で腹膜の播腫がきれいにとれ、一通りの治療をすることができれば、生存率はぐっと高まるといわれています。




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胃のポリープのがん化

胃のポリープとは、まわりの胃の粘膜より明らかに高まっていて境界のはっきりした限局性の病変です。

胃のポリープは胃の中にできた突出した病変をいいます。

エックス線検査や内視鏡の検査で診断します。

胃のポリープの半分ががんになるといわれていた時がありました。

今では、ポリープから胃がんになってもせいぜい3~5パーセントと考えられています。

胃の中に突出してくる病変にはいろいろなものがあって、現在ではこれらの病変をひとまとめにして胃隆性病変というようになりました。

胃隆性病変は、胃のポリープのかたちによってⅠ~Ⅳに分類されています。

Ⅳで大きさが20ミリ以上になって、初めてがんが出てきます。




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逆流性食道炎と胃もたれ

逆流性食道炎でよくある胸やけと胃もたれの症状は合併していることが多くあります。

胃もたれは胃の動きが悪くなる機能性胃腸症の症状が強ければ無理に食べずに水分だけを摂るようにしてみてください。

胃がからっぽの状態になると胃酸過多の状態になって、逆流性食道炎の症状がひどくなる可能性がありますので、少量の食事でも食べられるようになったら、できるだけ食べるようにしましょう。

バナナと牛乳は胃に負担が少なく、適度にエネルギーが摂れるのでおススメです。

このほか、うどん、おかゆ、煮物など自分で食べられそうなものがあれば、無理をせずに少しずつ召し上がるようにしてください。




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胃炎と胃もたれの違い

胃もたれは、胃への残留感が具合の良し悪しにかかわってきます。原因も消化不良によるものが多いです。

胃炎は、胃の粘膜が炎症を起こしていることによって起こるものです。

胃に刺激が与えられると胃の粘膜に炎症を起こします。

胃炎には「急性胃炎」と「慢性胃炎」の2種類があります。

慢性胃炎はピロリ菌が主な原因といわれており、胃の粘膜に長びく異変が生じるものです。

胃炎の場合の粘膜の状態は様々で、キズとして認識できるものから、色の変化だけのもの、萎縮が生じたものがあります。

急性胃炎は様々な原因で起きる胃粘膜の炎症によって起こるもので、日常的にもなりやすい病気と言えます。香辛料を取りすぎたり、風邪薬などが原因で急性胃炎になることもあります。

急性胃炎は数日安静にしていれば治りますが、繰り返すと慢性胃炎になります。胃炎の症状にも個人差がありるのであまり症状がない人もいますし、痛みを感じる人もいます。

ストレスが多い日常生活に大きく関わる病気と言えるでしょう。悩みやストレスなどに影響を受けやすい病気なのです。

急性の疾患や外傷などが原因で起こる場合もありますので、胃における血液の循環が悪くなって胃の粘膜を修復する能力が低下した場合でも胃炎は起こると考えられます。

胃炎が長引く場合や痛みが酷い時などは自分で判断せず、医師に診てもらうようにして下さい。



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胃痛の原因

胃痛の原因というのは様々で、痛みも人によって感じ方が違います。

胃痛は胃壁の内側の部分の末梢神経が胃酸によって刺激されることによって起こります。

食べ過ぎなどによる胃の痛みと胃潰瘍などの疾患による胃の痛みでは、違うものになります。

胃潰瘍などで胃がただれてしまっている時は焼けるように胃が痛み、それが短時間というのが特徴になりますが、食べ過ぎによる胃痛の場合は胃が満腹で、お腹がつっぱって感じる痛みになります。

胃痛の一番多い原因と言われているのは胃酸が出過ぎることで、胃の粘膜が炎症を起こすです。

この状態が長く続くと、胃潰瘍などの胃の病気になる可能性があります。また胃粘液分泌が低下することによっても胃痛が起こります。

胃の粘膜は通常、胃粘液に覆われているので胃酸などの刺激から守ってくれますが、これが食べ過ぎやストレスなどによって胃の働きが弱まり粘液が減ってしまうと、胃粘膜が胃酸に刺激されて炎症を起こします。

胃痛になる要因には様々なことが考えられますが、最も多いとされるのは精神的なストレスによるものです。

仕事の悩みなどを抱え胃痛がするということは少なくありません。ストレスというのは人それぞれ感じ方も違えば症状も異なります。そのため自分に合った予防法、治療法、ストレス解消法を見つけることが大切になります。

胃の痛みがあるときは胃の負担を軽減するように、一度に食べる量を少なめにするなどして対処するようにしましょう。



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胃痛:こんな症状があれば要注意

通常の胃痛に加えて、上腹部にもたれや不快感がある、特に空腹時や夜間にみぞおちあたりが痛むような場合には、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を疑うべきだと言えます。

放置しておくと貧血症状が出たり、最悪の場合、重い合併症を引き起こすこともあるので、症状が少しでも長引くようなことがあれば専門医の診察を受けられることをおすすめします。

さらに胃ガンでもみぞおち辺りの痛みを伴うケースが多く、食後の胸焼けやげっぷにとどまらず、吐き気や食欲不振、腹部の張りなどの症状が見られるような場合には、サプリメントによる症状改善にこだわることなく、躊躇せずに専門医の診察を受けるようにしてください。

胃ガンは早期発見・早期治療が肝心ですので!



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胃炎と胃もたれの違い

胃もたれは胃への残留感が具合の良し悪しにかかわって、原因も消化不良によるものが多いです。

胃炎というのは、胃の粘膜が炎症を起こしていることによって起こるものです。胃に刺激が与えられると胃の粘膜に炎症を起こすのです。胃炎には「急性胃炎」と「慢性胃炎」の2種類があります。

慢性胃炎はピロリ菌が主な原因といわれており、胃の粘膜に長びく異変が生じるものです。

胃炎の場合の粘膜の状態は様々で、実際にキズとして認識できるものから、色の変化だけのもの、萎縮が生じたものがあり、それらが混ざりあっているものもあります。

急性胃炎は様々な原因で起きる胃粘膜の炎症によって起こるもので、日常的にもなりやすい病気と言えます。香辛料を取りすぎたり、風邪薬などが原因で急性胃炎になることもあります。

急性胃炎は数日安静にしていれば治りますが、繰り返すと慢性胃炎になります。

胃炎の症状にも個人差がありるのであまり症状がない人もいますし、かなりの痛みを感じる人もいます。

ストレスによって起こることが多いので日常生活に大きく関わる病気と言えます。

仕事や付き合いなどによる悩みやストレスなどに影響を受けやすい病気です。

急性の疾患や外傷などが原因で起こる場合もありますので、胃における血液の循環が悪くなって胃の粘膜を修復する能力が低下した場合でも胃炎は起こると考えられます。




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食後の胃痛と胸やけ

食後というのは食べたものをきちんと消化するために、胃の中で胃酸が分泌されます。

食べ物と胃酸を混ぜて腸に運ぶます。

胃酸を出すために胃は沢山働きますが、胃に潰瘍がある場合、胃に食物が運ばれてくると胃液が出たり蠕動運動を起こしたりするので、潰瘍になっている部分に痛みが起こるのです。

また胃の働きが正常に行われていないと胃に負担がかかってしまい、過剰に分泌された胃酸が胃の粘膜までを傷つけてしまうので胃に痛みが生じます。

強力な酸が含まれている胃液から胃壁を守るために、分泌されている粘液と胃液のバランスが崩れると胃酸によって胃壁はやられてしまうのです。

始めの頃は胃壁の粘膜層の表面が多少ただれる程度ですが、症状が進むと粘膜層や様々な場所に穴が空いてしまう可能性がありますし、穴が胃壁を突き抜けることなどもあるので早めに病院へ行くようにしましょう。

食べ過ぎや飲みすぎから胃痛や胸やけになったという経験がある方は多いと思いますが、胃へ大きな負担がかかる食べ物を食べた場合は潰瘍などがなくてもその食べ物が直接的な原因となり、食後に胃痛や胸焼けを引き起こすことがあります。

胃潰瘍による胃痛は食後すぐということではなくて、食後30分ほどから痛みだすと言われているので目安にしてみてください。




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胃にまつわることわざ

空腹時・飲酒の前・胃が痛くなったら牛乳を飲むと良い
その通りです。潰瘍や炎症など、胃や十二指腸に傷ができている場合、胃酸に刺激されて痛むので、牛乳で胃の表面を保護することができるからです。
また、物を食べることで酸を中和するという意味もあります。


腹八分目・腹も身のうち
お腹いっぱい食べて“十分目”だと思っていると、胃によっては“十二分目”になることがあります。ほんとうに“腹も身のうち”です。


食べてすぐ寝るとウシになる
食事の後、横になって休むのは良いことです。しかし、眠ってしまうと胃の動きが弱まり、食べ物が消化されにくくなります。
食後には散歩程度の運動をしたほうが消化にも良いのです。


右側を下にして寝ると消化に良い
胃から十二指腸への出口が体の右側にあるので、右下で寝ると食べたものが腸の方へ流れ易くなるといわれています。胃下垂の人、胃の働きの弱い人はお試しください。


うなぎと梅干し、スイカと天ぷらなどの食べ合わせは良くない
普通に食べていれば心配はありません。どんな食べ合わせでも食べすぎは禁物!



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胃痙攣とは

胃痙攣とは、みぞおち当たりに起こる急性の痛みで、症状に対する俗称です。病名ではありません。

原因

急性虫垂炎、急性膵炎、急性胃炎、急性胃・十二指腸潰瘍、胃潰瘍、胆石症、急性胆嚢炎などが原因となります。また、強いストレスで緊張しすぎた時にも起こることがあります。

症状

突然のみぞおちあたりの激しい痛みが起こるのが普通ですが、吐き気や嘔吐を伴うことのあります。痛みは数分から数時間と様々です。

治療

治療は、原因となる病気を特定して行われます。血液検査や尿検査、X腺画像検査、超音波検査、内視鏡検査などで胃痙攣の原因を調べます。

症状に関しては、軽い場合は市販の胃薬で改善することもありますが、改善しない場合は、痛みをやわらげるために鎮痛鎮痙剤が使用されます。




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胃痙攣(いけいれん)の物理的な原因

胃痙攣は上腹部が激しく差し込むような周期的な強い痛みを伴います。

ストレスなどで過度に緊張した時に起きることが多いです。

胃痙攣の原因

◇ 急性膵炎

◇ 胃潰瘍や十二指腸潰瘍

◇ 急性虫垂炎

◇ 胆石症などの胆道性疾患

◇ 腹部動脈血行障害

◇ 急性虫垂炎

※ 胃痙攣の物理的原因としては上記以外にも様々ですが、 内視鏡検査などで上記のような器質的な疾患がないかどうか調べる必要があります。


二次的な現象で実際には胃が悪くないのに、胃に激しく差し込むような痛みや不快感を感じているケースが実に多いです。

これは横隔膜の位置異常で、すぐ下にある胃を横隔膜の圧迫による刺激で胃に痛みや不快感を感じています。

このケースでは胃の細胞から胃粘膜までの損傷を伴っていませんから横隔膜さえ定位置に戻れば鋭い胃の痛みからは解放されます。

首の骨の頚椎4番から出て横隔神経は横隔膜へ向かって流れており、横隔膜は体の中で一番大きな面積を有する筋肉ですから横隔膜の位置異常により胃に多大な刺激を与えてしまいます。

横隔膜の位置異常より二次的に胃を刺激しているケースは目立って多いのですが、横隔膜の位置異常が原因ですぐ上にある心臓や心臓から出て横隔膜を突き抜けている腹大動脈を刺激して、実際には心臓が悪くないのに二次的に動悸や不整脈を起こしているケースもあります。



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胃がんに効果的な栄養素

玄米や全粒小麦などでつくったパンには、ビタミンB群やビタミンE、抗酸化物質が含まれているため、ガンの症状や体質の改善に役立ちます。

動物性のたんぱく質や脂肪に関しては、過剰摂取は良くないので、適量を摂取するか、少し控えることをお勧めします。

大豆製品にはイソフラボンが含まれており、これは、ガンの抑制効果につながるため、積極的に摂ると効果的です。

キノコ類はβ-グルガンが含まれており、海藻類には、フコイダンという免疫力をアップさせる成分が含まれており、食物繊維が豊富です。

ガンを抑制させるためには、塩分を控えて、カリウムを多く摂ることが、効果的です。

そのためには、緑黄色野菜や果物を多めに食べることがポイントです。

術後は生野菜を食べることが難しくなるため、加熱処理をおこなうことになります。

酵素やビタミンCが失われてしまうことにもなりますが、食事にも慣れてきた頃、生で野菜を食べ、これらの栄養素を摂ることも大切です。




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胃がんの初期症状:口臭・ゲップ

口臭が発生する人は少なくないと思いますが、これは胃の調子の悪さからきていることが多いのです。

胃がんの症状として口臭が発生することがあります。

歯の病気とかで口臭が発生する場合もありますがそれだけが原因とは限らないのです。
しかもこの口臭は自分ではわからないものです。

本当に胃にダメージがある場合、歯を磨いてもガムを噛んでも臭いはとれません。

口臭の原因として他に考えられるのが歯周病などの歯の病気や便秘などがあげられます。

これらの病気は命には関わってこないので病院で治療さえ受けていれば問題はありませんが、もし胃がんだった場合命に関わってきます。

胃がんの症状としてゲップが頻繁に出るといった症状もあります。

ゲップが頻繁に出るという症状も胃になんらかのダメージがあるためです。

胃がんの場合、初期の症状が非常にわかりにくいというのがありますがこの口臭やゲップなどはまさに非常にわかりにくい症状といえます。

口臭やゲップは続くようでしたら一応胃がんを疑って見てください。




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胃がんの原因

胃がんの原因のひとつに食生活があるといわれています。

日本人が欧米人に比べ胃がんの発症率が高いのは、塩分の取りすぎが大きな原因だといわれています。

日本人の食生活では塩だけではなく醤油や味噌など塩分を多く含んだ食品を毎日の食生活で使用しています。

国内でも塩辛い味付けを好む地方のほうが胃がんの発症率が高いのです。塩分の多い食事を毎日食べ続けることで胃の粘膜に炎症を起こしやすくなり胃がんが発症してしまうといわれています。

また焼き魚などの焦げたものの摂取も胃がんを発症する可能性があるといわれています。

また熱いものや辛いもののとりすぎ、早食いやアルコールの飲みすぎも胃がんの原因になるといわれています。

このような食べ物やタバコ、ストレスなどによって胃の細胞核の中にある遺伝子が傷つけられ癌が発症すると言われています。

日本人の50歳以上の人の80%以上が保菌しているといわれるピロリ菌があります。

慢性胃炎や胃潰瘍を引き起こし、胃がん発症につながっているといわれています。

ピロリ菌は、日本人の50歳以上の人の約80%の人が罹患しているといわれています。

これは幼少期に感染するため戦後の衛生状態の悪い飲料水で育った人たちが感染しているためと言われています。

逆に衛生状態の良い環境で育った若い人たちに感染者は少ないといわれています。

ピロリ菌の存在は100年も前から報告されています。

近年ではこのピロリ菌が胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんなどの原因となるということが明らかになってきています。

胃がんになった人の90%以上がピロリ菌陽性者となっています。

またピロリ菌感染者の胃潰瘍などの再発率が多く見られるという報告もあります。

ピロリ菌の有無を検査するには内視鏡の際に行う方法と、検査薬を飲む方法、血液検査によるものなどがあります。

ピロリ菌検査を行い陽性と診断された場合は、ピロリ菌除菌などの治療を行うようにしましょう。

ピロリ菌の除菌には抗生剤と制酸剤が用いられており、これらを飲むことによって90%という高確率でピロリ菌が陰性となっています。

50歳以上の人でいつも胃に不快感がある人などはピロリ菌に感染している可能性もありますから、検査を行い治療するとよいでしょう。




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口臭を引き起こす胃の4つの病気

胃潰瘍から起こる口臭

胃潰瘍は、口臭の原因になる病気としても知られています。
胃潰瘍は、胃の粘膜を胃酸から保護する作用が低下することで胃粘膜が傷付いてしまう病気です。

吐血が見られるようになるとかなり病状が進行していて、大抵は嘔吐感や酸っぱい臭いのするゲップ・口臭などが症状として見られます。

胃潰瘍の治療には胃カメラは付き物で、最近は内視鏡を使っての治療もおこなわれるようになっています。


胃がんの原因になるピロリ菌感染症

日本三大疾病の一つである癌は、長年に渡って胃がんがその比重の多くを占めていました。

日本人に胃がんが多い理由の一つとして指弾されているのがピロリ菌です。

ピロリ菌は、強酸性の胃の中でも活動できるように胃酸の分泌量とPH値をコントロールし胃粘膜を破壊する力を持った細菌です。

ピロリ菌はアルカリ性のアンモニアを生成して胃酸を中和する力を持っていて、このアンモニアが口臭悪化の原因になるといわれています。ピロリ菌除去治療を受けた患者の口臭が改善されたという事例もあります。


胃酸の逆流を伴う逆流性食道炎

飲み過ぎ・食べ過ぎで嘔吐したことのある人ならわかると思いますが、吐けるものを吐きつくして出てくる胃液は後味も臭いも非常にきついものです。

強烈な酸で胃から食道・口内までがザラザラになってしまう上に、酸っぱい臭いが直接鼻腔に叩き込まれるのでたまったものではありません。

嘔吐まではいかないまでも頻繁な胃酸の逆流によって食道がただれてしまう逆流性食道炎も口臭の原因になる病気であり、胃カメラで発見・把握できる病気なのです。

逆流性食道炎は重度になると、食道内壁が胃粘膜上に変化する「バレット食道」に発展し食道がんを引き起こす恐れが高まるので、胃カメラによる検査は不可欠なものとなっています。


独特の口臭・体臭を発生させる胃がん

日本人に多くみられる胃がんは、毒性の高いピロリ菌への感染や塩分の強い日本食の影響が発症に大きく関わっているといわれています。

胃がんの早期発見のためには、胃カメラ検査だけでなくCTスキャンや腫瘍マーカー検査などの総合的な検診が欠かせません。スキルス癌のような、胃粘膜と胃壁の間に腫瘍が発生するタイプの胃がんは胃カメラだけでは発見できないのです。

胃がんも、口臭の原因になる病気の一つです。胃がんを患っていると、口臭はドブのような酷く強いものになります。また、胃がんに限らずがん患者は体臭にも変化が現れ、甘ったるい香りになるといわれています。




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胃がんの摘出量

胃がん発生する位置は中央から胃の出口側に多い傾向があるといわれています。

こうした胃がんのケースでは幽門側胃切除と呼ばれる胃の下3分の2程度を切除する摘出法が一般的です。そして胃の残りの部分を十二指腸につなぎあわせる事になります。

胃がんの発生箇所が胃の中央部より上部にあるケースでは胃を全部取る胃全摘と呼ばれる手術になるか、胃の上のほう半分から3分の2程度を切除してしまう噴門側胃切除と呼ばれる手術になることが多いです。

胃全摘のケースでは、小腸の一部を切り取って食道と十二指腸の間に移植する方法と十二指腸は縫い閉じてしまい、食道と空腸を縫い合わせる方法のいづれかになります。

胃がんの場合の摘出量は病気の深さや進行度によって決まるというよりも、胃がんの発生位置によっておおよそ決められます。ですから。胃の全摘出となった場合でも必要以上に不安に感じることはありません。

付け加えて言えば、胃の中央部もしくは入り口近くにできた進行胃がんのケースでは、膵臓や脾臓の周囲のリンパ節に転移を認められることもあります。

合併切除で脾臓や膵臓の左半分を胃と共に切除することもあります。胃がんが食道側に近い場合は左の胸も同時に開けて食道も十分にとる手術方法もあります。





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ピロリ菌の検査

ピロリ菌の検査には、内視鏡検査が必要な検査と内視鏡検査が必要でない検査との2つに分けられます。

除菌治療を行う場合には、除菌の前と、潰瘍治療の後1ヶ月以上あけた後に検査をします。


内視鏡を使って行う方法

 迅速ウレアーゼ試験
 胃粘膜を採取し試験薬に入れて薬の色の変化で判定します。速く判定できますが的確に組織をとらないと偽陰性となることがあります。
出されます。検査が簡単で精度が高く、優れた方法です。


 鏡検法
 粘膜を採取し染色標本を作製し顕微鏡で菌の有無を判定します。偽陰性となる可能性がありますが、胃の粘膜の状態(萎縮の程度や腸上皮化生の有無など)が分かります。



内視鏡を使わずに行う方法

 尿素呼気試験 (UBT)
 検査用のお薬を飲み、吐き出された息を調べる検査法です。菌のもつ酵素により尿素が分解され、二酸化炭素が呼気として排出されます。検査が簡単で精度が高く、優れた方法です。


 血清、尿抗体検査
 血液や尿検査で菌に対する抗体を調べます。過去に感染したことがあるかどうかが分かります。除菌後陰性化するまで1年以上かかることがあり、除菌の成否を早く知りたい時には適した検査法ではありません。


 糞便抗原検査
 便中に排泄されるピロリ菌の抗原を直接検出する侵襲のない検査法で、現在の感染の有無が判定でき除菌前の感染診断に優れた方法です。




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ピロリ菌の歴史

1875年にドイツの細菌学者ベッチャーが人の胃に存在しているらせん状の細菌を発見しました。

顕微鏡で観察した結果がヘリコバクター・ピロリ菌の最初の報告であると言われていますが、正式な記録は残っていません。

1892年にはイタリアの研究者ギユリロ・ビゾゼロが、犬の胃に生息する細菌について著した文献を発表しました。

1896年にはサロモンが動物の胃内に存在する細菌を、ネズミなどの他の肉食動物に感染させることに成功しました。

その細菌がらせん状の形態をしたグラム陰性の真正細菌のスピロヘータであるいう記載が残っています。

1899年にポーランドの研究者ウォーレリー・ジャワスキーが人の胃からグラム陰性桿菌と共にらせん菌を見つけました。

彼はこの菌を「ビブリオ・ルギュラー」と名付け、胃疾患との関連性をポーランド語で書かれた著書の中で提唱しました。

1906年にケリネッツを中心とした研究者らが、胃癌患者の胃粘膜にらせん菌がいることを発見しました。

当時は細菌学の技術が十分に発達していなかったため、研究ではらせん菌の培養に成功しませんでした。

1920年代には研究者ラックの専門グループが、胃粘膜に尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解する酵素であるウレアーゼが活性化されていることを発見しました。

しかし、粘膜上皮からウレアーゼを分離することに成功しなかったため、細菌ではなく胃粘膜自体がウレアーゼを分泌していると考えるようになります。

1938年にドエンゲスが霊長類の胃からスピロヘータに近いらせん菌を分離し、このらせん菌を胃炎と診断した人の胃からも発見しています。

1940年代にフリードバーグとバーロンは、胃を切除した標本の37%の症例にらせん菌が存在することを報告しました。そのらせん菌は3種類とされています。

このように胃の中の細菌と胃疾患との関連に医学研究者の関心が興味が徐々に高まっていった一方で、この説に対して異を唱える研究者も次第に増えていきます。

ある細菌がある病気の原因であると決定するためには、細菌学の先駆者といわれるロベルト・コッホが提言した「コッホの4原則」に順ずる必要があります。

1 病気を発症している患者の全てにその細菌がいる
2 他の病気の患者にはその細菌がいない
3 その細菌を投与すると同じ病気が発症する
4 病気を引き起こした患者から同じ細菌が証明できる

アメリカの病理学者で消化器病学の大家であったエディ・パルマーが、1,000を超える胃の生検標本について検討した結果、らせん菌が発見できなかったと報告しました。

この報告によって、それまで報告されてきたらせん菌は、一種の雑菌混入によるものだったのではないかという考えが主流になり、一部の医学研究者を除いて、胃の中の細菌に対する研究者の関心は薄れていきました。

強酸性の胃の中には全ての菌が死滅するわけではないものの、生命にとって劣悪な環境のために細菌は生息できないという結論が有力となったのです。

20年近くも目立った研究が進まない中、以前から尿素を分解して二酸化炭素とアンモニアを産生する酵素ウレアーゼが、胃粘膜に発生していることはわかっていました。

そのため、塩酸が胃粘液層に侵入しないのは、アンモニアが防御的役割を果たしていると考えられるようになります。

しかし、多くの研究者が胃粘膜組織に詳しくなかったために、胃粘膜に存在する細菌と胃粘膜のウレアーゼ活性との関連性については放置されてしまいます。

その中でも1975年にスティールとコリン・ジョーンズは胃潰瘍の胃を50個を切除して、胃潰瘍の81%にらせん菌と胃炎が存在することを証明しました。

ただ、当時の研究技術ではらせん菌の培養には成功しませんでした。

その後も研究を続けたスティールは十二指腸潰瘍患者の十二指腸にみられる胃上皮化生粘膜に、らせん菌が存在することを明らかにしています。

発見された当時、慢性胃炎や胃潰瘍はもっぱらストレスだけが原因であるという説が主流でありましたが、マーシャルらは「ヘリコバクター・ピロリ菌」と名付け、これらの疾患の病原体であるという仮説を提唱しました。

これらの疾患の慢性化と胃癌の発生が関連することが、当時すでに知られていたため、この仮説はピロリ菌が癌の発生に関与する可能性を示唆するものとしても注目されましたが、当初は疑いの目を持って迎えられたとのことです。

そこでマーシャルは培養したピロリ菌を自ら飲むという自飲実験を行いました。その結果、マーシャルは急性胃炎を発症し、仮説の1つが証明されたのです。

しかし、マーシャルの胃炎は治療を行うことなく自然に治癒したため、急性胃炎以外の胃疾患との関連については証明されることはできませんでしたが、慢性の活動性胃炎が生じました。

活動性胃炎は胃粘膜が脆くなり、この状態は胃酸やストレスなど種々の外因性の影響を受けて、胃粘膜の障害が強くなっていく傾向があります。

それでもピロリ菌の除菌に成功すると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発がほぼ抑制されることも明らかになりました。

一方、マーシャルとは別にニュージーランドの医学研究者アーサー・モリスも、同様の自飲実験を行っています。マーシャルと同様に急性胃炎を発症しただけでなく、モリスの場合は慢性胃炎への進行も認められました。

この結果、ピロリ菌が急性胃炎と慢性胃炎の原因になることが証明され、これらの疾患の慢性患者の多くからピロリ菌が分離されること、除菌治療が再発防止に有効であることも明らかになりました。

動物実験では胃癌の発生にも成功し、1994年にはIARC(国際がん研究機関)が発行しているIARC発癌性リスク一覧に発癌物質として記載されました。




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ピロリ菌に関係する病気

ピロリ菌が発見されてから、胃の不快感の原因が明確になってきました。

胃壁の表面を覆う粘膜に炎症が起こる胃炎は、ピロリ菌がいるとほぼ発症します。

食欲低下や胃もたれがする程度、もしくは何も変化を感じないなどというように自覚症状に差がありますが、ピロリ菌で胃炎になる確率は約80%です。

胃は食べ物の消化をするために、強酸性の胃酸を分泌していますが、その胃酸から守るため、胃壁を常に粘液で覆っています。

しかし、胃を守る粘液がピロリ菌の出す酵素で減らされ、粘液が不足すると胃壁を守り切れず、胃炎や胃痛の後に潰瘍ができてしまいます。

胃酸を減らす胃酸分泌抑制薬での治療もできますが、長期間飲み続けなければならないですし、原因がピロリ菌ですので再発しやすいです。

胃潰瘍と十二指腸潰瘍の人はほぼピロリ菌に感染しています。仮に潰瘍は放置しても自然に治ることもありますが、再発する確率は72%と高いです。

胃酸分泌抑制薬で治療した場合では25%まで減りますが、ピロリ菌の除菌すると80%以上の人が完治し、再発率も2%までに減るので、日本医師会でもピロリ菌の除菌を推奨しています。


胃がん患者の胃には100%ピロリ菌が存在する

ピロリ菌による一定の持続的な刺激は、胃がんが原因になり得るとされています。

健康な胃で胃炎が起こり、胃潰瘍ができて、胃がんへと変わっていきます。

ピロリ菌の検査が陽性と陰性の2グループに分けて、8年間経過を観察したところ、陽性の人2.9%に胃がんが発生しましたが、陰性の人は0%でした。

その他の消化管の病気もピロリ菌と関係しています。

胃壁の粘膜下にできる悪性度の低い腫瘍である胃リンパ腫、胃のポリープもピロリ菌が原因であることが多いです。

消化管以外に起きる病気では詳しい原因は解明されていませんが、血小板減少性紫斑病や慢性じんまじん、鉄欠之性貧血もピロリ菌の除菌で改善することがあります。




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ピロリ菌で胃癌が5~6倍

研究ではピロリ菌の陽性例では2.9%に胃癌が発見され、ピロリ菌の陰性例では胃がんが全く認められませんでした。

胃がんの場合にピロリ菌が存在する確率は100%に近く、ピロリ菌の何らかの性質が胃癌を誘発するとしています。

今までピロリ菌で胃癌になる確率は5~6倍とされてきましたが、その理由ははっきりしていませんでした。

細胞が癌化する理由の1つとして、癌抑制作用を持つ細胞の働きが弱くなることで、がんが発生しやすくなることがありました。


早期のピロリ菌の除菌が胃癌予防に効果です。

ピロリ菌は幼児時に経口感染し、胃に数十年住み続けて、大人になってから慢性胃炎を発症させます。

日本では40代以上の70%が感染しているので、早めのピロリ菌の除菌が望ましいです。




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ピロリ菌除菌にヨーグルト

乳酸菌は腸内細菌として生息していますが、基本的にヨーグルトの乳酸菌は腸内に定着することはできないです。

ただし、ヨーグルトの代謝物が腸内の悪玉菌を減少させ、在来の乳酸菌を増殖させるという整腸作用を持ちます。

整腸作用とは、摂取した食事が腸内で善玉菌の栄養となり、腸内腐敗菌であるウエルシュ菌や大腸菌を減少させることによって、腸のぜん動運動を活発にすることで、腸内環境を整え、便秘や下痢などの便性の改善をすることです。

便通が良くなると、体の代謝も改善され、脂肪も燃えやすい体になります。皮膚の代謝も活発にするために、肌がきれいになるのも特徴です。

小腸の正常な機能が失われると、小腸の動きが悪いために食べたものがなかなか排泄されず、余分な栄養素が吸収されすぎて、太る原因にもなります。

また、悪玉菌が多いために、便秘がちになり、有害物質がたまり、血液も汚れて、体全体の代謝が悪くなってしまいます。

整腸作用は内から体をきれいにする重要な役割を担っています。


普通のヨーグルトは除菌ができない

ヨーグルトでピロリ菌を除菌できるかというと、必ずしもそうではありません。ピロリ菌を除菌するのは、明治乳業から発売されているLG21のような、ピロリ菌を減少させる乳酸菌が入っているヨーグルトになります。

ヨーグルトがピロリ菌を減らすのではなく、ピロリ菌を除菌する乳酸菌を混ぜ込んだヨーグルトがあるということになります。

ピロリ菌を除菌する乳酸菌を混ぜ込んだ代表的なヨーグルトに、明治乳業のLG21があります。

このLG21とは乳酸菌の名前です。LG21を含んだヨーグルト90gを1日2回だけ食間に食べる実験では、8週間後に87%の人が予想を上回る改善率となり、31名中3名はピロリ菌の完全除菌に成功しています。

逆に8週間食べ続けても、100%の除菌までには至らないことがあるとも捉えられます。

ピロリ菌の数を減少させる効果には高い期待ができ、除菌ももちろん可能です。薬と違って副作用の不安もなく、抗生物質が効かないままの無駄な治療に終わることもありません。

何より乳酸菌による整腸作用による健康効果は確かです。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃ガンの原因であるピロリ菌を抑制する作用があるヨーグルトの摂取で、私自身は胃の調子が良くなり、舌がきれいなり、口臭が消え、肌のツヤが良くなりました。

LG21のヨーグルトは腸内環境も整えてくれるピロリ菌の除菌方法と言えます。




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ピロリ菌を減少させるLG21

乳酸菌は炭水化物などの糖から乳酸などの酸を作り出す菌の総称で、人間にとって健康上必要な細菌です。

乳酸菌も数種類あり、有名な菌にビフィズス菌がありますが、ビフィズス菌はビフィズス菌属に属している菌で、人間の腸内に潜んでいて数々の有用な働きをする善玉菌です。

ピロリ菌の除菌に高い期待ができる乳酸菌LG21はビフィズス菌属ではなく、ラクトバシルス属に属している乳酸菌です。ラクトバシルス属の仲間にはブルガリア菌やカゼイ菌があります。

これら乳酸菌のいくつかがピロリ菌を排除できる理由には、ピロリ菌が胃酸に強くても乳酸菌の出す乳酸には弱いためです。

乳酸菌が増えるとピロリ菌の繁殖に必要な栄養と住居空間を奪っていくことも、ピロリ菌が死滅していく理由になります。

LG21はラクトバシルス属に属している乳酸菌の1つですが、似たような菌であれば、LG21ではなくてもピロリ菌を除する効果があります。

ただ、LG21は数ある乳酸菌の中から選ばれ、LG21そのまま乳製品の品名になり、ヨーグルトを媒介にした健康食品として記録的な売上を挙げてきました。


LG21がピロリ菌の除菌に最も適している理由

低栄養条件下での高い増殖力があり、栄養の少ない胃の中でもしっかりと乳酸を生かすことができます。

乳酸菌生産量が多く、ピロリ菌に対して優れた殺菌作用の持つ乳酸菌をたくさん作ることができます。

胃の中の上皮細胞への接着力が優れているため、すぐに消化されずに胃の中に住み続けるピロリ菌と同等の存在で居続けます。

強酸性環境の胃の中で生存可能なピロリ菌よりも、耐酸性に優れていて胃酸に強いです。

人が食べても安全で健康に良い乳酸菌のため、薬とは違って副作用がないことや抗体がありません。

LG21は現在ではピロリ菌退治のエリート乳酸菌としてヨーグルトに含まれ、私たちの体内への摂取が可能になっています。




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胃腸科でピロリ菌を治療

胃がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因になるピロリ菌は、大人になってからはほとんど感染しませんが、子どものうちに感染していることがあります。

大人になって胃の調子が悪くなった人は、子供のうちはピロリ菌が潜伏しているだけであったり、胃壁の防御力がピロリ菌の攻撃力を上回った可能性が高いです。

消化器科のある総合病院、地域の胃腸科でも診察が可能になっています。

健康診断でもオプションで検査を受けることもできます。

診察を受けると、最初に胃を含めた現在の健康状態と生活リズムを聞かれ、ピロリ菌に感染している可能性が高いと判断された場合に、ピロリ菌の検査ができます。

ピロリ菌の検査は数種類ある中でも尿素呼気テストを行うことが多いです。

内視鏡を使わないために負担も少なく、ほぼ確実にピロリ菌の存在の有無を確認できます。

ゼリー飲料の用意のような袋2枚と錠剤を渡され、1枚の袋に息を吹き込み、その後に錠剤を飲んで、5分ほど横になって安静にします。

さらに15分程イスなどに腰をかけ、待ちます。最後にもう片方の袋に息を吹き込んで、ピロリ菌の検査は終了です。

実に簡単な尿素呼気テストです。

飲んだ錠剤は炭素を含んだ尿素が多く含まれており、もし体内にピロリ菌がいると菌が尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解します。

発生した二酸化炭素で呼気中の二酸化炭素濃度が高くなることから、ピロリ菌の存在の有無を確認できます。

錠剤を飲む前の濃度と飲んだ後の濃度を比較し、ほとんど変わらない場合は陰性でピロリ菌はいません。濃度が濃くなったらほぼ確実に菌が潜伏しています。

ピロリ菌がいなくても、胃がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍と診断されている患者の場合は保険が適用されるので安心です。

ピロリ菌の除菌は1次除菌と2次除菌があります。

除菌薬では抗生物質と胃酸抑制剤を併用します。

1次除菌で多用される「ランサップ400」も抗生物質プロトンポンプ阻害薬の一種であるランソプラゾールと、胃酸抑制剤であるアモキシシリン、クラリスロマイシンがセットになった薬です。

除菌率は80%弱であり、これで除菌できない患者も多くいます。1次除菌で死滅できなかった場合、2次除菌に移ります。

2次除菌でも2種類の抗生物質と胃酸を抑える薬の計3種を1日2回、1週間ほど服用します。

3種類の薬はパリエット錠、パセトシン錠、フラジール内服錠、もしくはパリエット錠、クラリス錠、パセトシンカプセルなどです。病院によっても処方箋は異なります。

1ヵ月後に再検査し、陰性なら除菌成功です。以前は2ヶ月近くかかっていましたが、大分時間も短縮されてました。

これでもピロリ菌の除菌が必ずしも成功するとは言えません。薬が効きにくい耐性菌などもあり、除菌の成功率は70~90%です。

ピロリ菌が除菌ができるまで除菌療法を続けることができますが、保険が利くのは2回までです。

ピロリ菌は感染期間が長いほど胃がんなどのリスクが高まるので、なるべく若いうちに検査をして、積極的に除菌した方が良いです。




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ピロリ菌の除菌率90%の薬

ピロリ菌の除菌は必ずしも成功するわけではありません。

除菌の効果の差はその人の体内環境と薬との相性とも言えます。

ピロリ菌の除菌率が高い薬の組み合わせは、胃酸の分泌をおさえるランソプラゾールかオメプラゾール、様々な細菌の発育を抑えるアモキシシリン2,000mg、細菌性感染症に処方されるクラリスロマイシン1,000mgを、朝夕の食後に1週間内服します。

この薬の組み合わせは約90%以上の除菌率が報告されています。

以前は別々に出ていた3種類の薬ですが、現在はピロリ菌を殺菌する薬として、1シートにパックした「ランサップ製剤」として処方されます。

クラリスロマイシンは耐性菌の出現が起こりやすく、効果がないケースもあります。

仮にクラリスロマイシンを増量して再除菌をしても、初回の除菌に失敗した原因が耐性菌であるため、高い治療効果は望めません。

効果がない場合は、代わりにトリコモナス腟炎の治療薬でピロリ菌にも効果があるメトロニダゾールを使用します。この薬では80%以上の除菌率が報告されています。




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バリウム検査と胃カメラの検査の違い

バリウム

<長所>
造影剤のバリウム(白い液)を飲み込んだあと、胃をくまなく観察し撮影するために、検査台で体を上下左右に動いたり回転して、胃の観察をする検査です。

胃の表面についたバリウムの状態を観察して、潰瘍、胃の粘膜の荒れ、胃がんによっておこる変化を見つけることが可能です。

造影剤が口から食道、胃から十二指腸へと流れていくところが見ることができ、胃全体の形を観察することができるのが特徴です。

<短所>
一定量の放射線被ばくが避けられません(健康上問題なし)、下剤の処方を受けても造影剤による便秘の可能性があります。



胃カメラ

<長所>
胃カメラは、口や鼻からレンズのついたチューブのようなカメラを挿入して、食道や胃、十二指腸の粘膜表面を、直接観察できるので、胃潰瘍や胃炎、胃がんなどの病変など、詳しい情報が得られます。胃がんの早期発見にも役立ちます。

観察だけでなく、臓器の一部を採取する病理検査の生検、ピロリ菌の検査も行えます。ポリープの切除など内視鏡治療を行うこともできます。

<短所>
カメラを挿入していきますが、喉を通るときに違和感と多少の苦痛を感じます。




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胃が痛いときの対処法

空腹時に胃が痛むとき
空腹時に胃が痛むことが多いですが、暴飲暴食を避けて、刺激の強いものや塩分は控えめにしましょう。

調理法に注意
油であげたりするより、煮る、蒸す、ゆでるといった調理法にしたほうが胃に負担をかけません。

食材も火を通して柔らかくすれば消化がよくなります。冷たいものは刺激になるので、温かい食べ物や飲み物を選ぶようにします。

食べ方に気をつける
よく噛まないで早食いしたり、飲み込むように食べたりすると、胃に負担がかかり、食べ物と一緒に空気も飲み込むので、胃が張ってしまいゲップが出る原因になり、おなかも苦しくなります。よく噛んで食べるようにすることで消化を助けます。

急性胃炎を起こしたときは
薬物療法として制酸剤などの投与を行います。重症のときは絶食します。絶食をするときは、脱水症状を防ぐため、湯冷ましや薄い番茶や麦茶を冷ましたもの、果汁をお湯で薄めたものを少しずつとるようにします。症状がおさまって、食欲が出たら、重湯やくず湯などの流動食から始めて徐々に普通の食事に戻していくようにします。

次の段階でおかゆ、野菜スープ、豆腐、半熟卵などの半流動食にし、4~5日目くらいになったら、五分がゆ、やわらかい煮込みうどんなどに白身魚、やわらかく煮た野菜などを添えます。

市販の薬を飲んでみる
食べ過ぎや飲みすぎで胃が痛いときや食欲不振で胃が痛い場合やストレスで胃が痛い時、胃のもたれや、胸やけや腹部の膨満感などあるときは、胃腸薬を飲んで様子をみます。

胃痛・胃もたれでつらかったらツボを押してみる
胃の痛みや胃もたれでつらかったら、中カン、梁丘、足三里、衝陽などのツボを指圧します。これらを刺激することで胃の調子を整えることができます。




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胃の痛みの原因

胃の痛みの原因は様々です。

空腹で胃の痛みを感じたり、暴飲暴食、疲れ、ストレスによって胃の痛みを感じたり、鎮痛薬や風邪薬の副作用で胃の粘膜を保護しているプロスタグランジンという物質の働きが抑えられて胃の粘膜が傷つき胃が荒れて胃の痛みが出る人もいます。

胃液はたんぱく質分解酵素のペプシン、塩酸、粘膜の分解酵素のペプシンにより、胃自身が冒されないように、健常な胃粘膜には防御機構が備わっています。

胃酸が強くなったり、粘液の分泌がスムーズにいかないと、胃粘膜があれて、胃炎になっり、進行すると胃潰瘍になってしまいます。

胃の痛みの多くの場合、胃酸の出過ぎたことが原因だといわれています。

痛みの場所と考えられる病気

■空腹時に鈍い痛みがあるときは、胃・十二指腸潰瘍の可能性がある。食後しばらくして痛む場合は、胃炎や胃潰瘍の可能性がある。

■鈍い痛みが空腹時や食後にかかわらずあり、食欲不振や体重減少などの症状がある場合胃がんの可能性もある。

■痛みが激しい時は、胆石症や急性膵炎など、胃の病気ではない可能性もあります。



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胃の痛みとお腹の痛み

胃の痛みや十二指腸の痛みなど臓器の痛みは、急激におこる場合と、徐々に起こる場合とがあります。

痛みが数分のうちに急激に強くなる代表的な病気に、急性膵炎、尿管結石などがあります。

数時間から数日にかけて徐々に痛みが強くなってくる場合は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、急性胃炎、急性腸炎、急性虫垂炎、などが疑われます。

激しい痛みが続いたり、間をおいてあらわれるときは、慢性膵炎、クローン病など慢性の炎症や悪性腫瘍などの病気が疑われます。

過敏性腸症候群のときは、排便と同時に痛みが軽減し、睡眠中や休日には痛みがあらわれないなどの特徴があります。

食事をとることで痛みが増幅するかどうかも大事な判断基準です。

空腹時に上腹部が痛むのは、十二指腸潰瘍の典型的な症状です。胃潰瘍や胃炎の場合は、食後しばらくして痛むことが多くなってきます。

治療で服用した抗炎症薬や鎮痛薬などが原因で胃潰瘍や胃炎になってしまい、激しい腹痛が起こることもあります。


上腹部の痛み

上腹部には、胃、十二指腸、胆嚢、膵臓など痛みが出やすい臓器が集まっています。

みぞおちには臓器の痛みを感じる神経が集中しているので、上腹部では、みぞおち痛が多く見られます。

胃の異常も、みぞおち痛としてあらわれます。




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胃・背中が痛い時

背中が痛い時の多くは、骨や関節、筋肉などが原因になっていることが多いですが、胃や十二指腸、膵臓、腎臓などの内臓が原因で痛い場合もあります。

通常の胃炎程度であれば、背中の痛みとして感じることは少ないですが、大きな胃潰瘍や十二指腸潰瘍があると、背中の痛みとして感じられることがあります。

膵炎や胆石なども背中の痛みとして感じられることが多いです。

内臓の痛みは、食事や排尿などそれぞれの臓器の働きと関係していることが多く、このような痛みを感じたら、早めに病院に行き医師の診察を受ける必要があります。


胃・背中が痛い時に考えられる病気の一部

胃潰瘍
胃潰瘍とは、日常よくみられる病気です。胃から分泌される胃液中の胃酸や消化酵素のペプシンなどが、食物を消化するだけでなく、胃の内側をおおっている粘膜をも消化してしまい、その粘膜の孔があいた結果生じる病気です。胃潰瘍は、胃の粘膜を消化しておこるため、消化性潰瘍ともよばれています。
胃潰瘍は、胃の小彎と呼ばれる部位に発生しやすく、とくに胃角部近くに発生することが多いです。

十二指腸潰瘍
十二指腸潰瘍は、十二指腸の粘膜に潰瘍が生じる病気です。

膵炎
膵炎は、膵臓が炎症を起こした状態のことをいうものです。背中の中央あたりを叩くと背部から腹部にかけて広がるような痛みを感じることもあります。

胆石
胆石は、肝臓から分泌される、胆汁の成分が固まって胆嚢内・胆管内に溜まったものです。胆嚢炎などは、ほとんど、胆石が原因です。




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胃が痛い・下痢との関係

胃が痛い時の下痢との関係

胃痛は胃の症状、下痢は腸の症状です。

下痢をすると腸だけでなく、胃の原因も考えられますが実はまったく違う臓器の問題です。

胃も腸も一本のつながった臓器なので、冷たい食べ物や激辛食べ物で食べ過ぎて胃が痛くなったとすると、そのまま消化しきれず食べ物だ腸に移動します。

腸も悲鳴をあげて下痢を引き起こすパターンがあります。


下痢とは

下痢は糞便中の水分量が多くなった状態です。

下痢をおこすしくみには、水分の吸収障害、腸液分泌の亢進、腸管運動の亢進の3つがあります。

この3つが同時にかかわっておこることが多いものです。

水は小腸で1日5~10L、大腸では1日1~2Lが吸収されます。

ところが、腸管内に吸収の悪い塩類や食物が入ってくると、腸管は多量の腸液を分泌するため便がやわらかくなったり、下痢便になります。

とくに大腸は水の吸収量が少なく、1日2Lを超える水が入ってくると下痢をおこします。

下痢には急性のものと慢性のものがあります。

急性下痢の大多数は食中毒などの感染症、食物アレルギー、食べ過ぎによっておこるもので、数日で自然に治るものがほとんどです。

1か月以上、ときには1年以上も続いたり、反復して現れる下痢が慢性下痢です。




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胃を押すと痛い

胃の働きが悪くなり消化が悪くなると腹部膨満感や吐き気が出てみぞおちを押すと痛くなることもあります。

また筋肉の問題で痛くなることもあります。

みぞおち辺りを押すと痛い場合は病気だとすると胃炎、胃潰瘍、膵炎、胆石症なども考えらます。

消化器内科受診をおすすめします。

胃を押すと痛いという場合は、胃がんなども考えられます。

触診をして、腫瘍の疑いがあるかもしれません。

一人で症状、対処方法を考える以前に早急に胃カメラで検査することが得策になります。

早期発見なら胃がんも治る病気です。

胃を押すと痛い場合は様々な原因が考えられます。

症状が続いておかしいなと思ったときは、胃カメラ検査を受けて、医師の診察を受けるようにするとよいでしょう。




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胃の左側が痛い

胃の左側が痛いとき、膵臓のあたりだと、急性膵炎、慢性膵炎、膵石症、膵がんなどが考えられます。

その他には、胃炎や胃潰瘍など胃の病気、脾臓、左腎臓などの病気も考えられます。

痛みが激しいなどの症状があったら注意です。専門医の診察を受けましょう。


考えられる病気の一部

急性膵炎
急性膵炎は、膵臓に急性に炎症が生じた膵炎のことです。

慢性膵炎
継続的なアルコールの多飲などにより、慢性的に膵臓に炎症をきたすことで生じる膵炎のことです。

膵石症
膵石は膵管内に形成された結石のことです、慢性膵炎と診断された患者さんによくみられます。慢性膵炎の進行に伴って合併する頻度が高くなります


膵がん
後腹膜臓器であるために早期発見が困難であり、また極めて悪性度が高いです。小さなガンでもすぐ血管、胆管、神経への浸潤や、近くのリンパ節への転移、肝臓などへの遠隔転移を伴うことが多いです。


胃炎
急性胃炎は胃の粘膜に炎症が起こって、みぞおちのあたりに突発的に痛みが出て、胃の膨満感やむかつき、嘔吐などの症状が現れます。慢性胃炎は胃粘膜に存在する胃腺が萎縮して胃液の酸度が低下した状態をさします。胃の粘膜に炎症が生じて、無症状のことが多いですが、空腹時や夜間に起こる胸やけ、食後のむかつき、胃もたれ、食欲不振などの自覚症状があることもあります。


胃潰瘍
胃から分泌される胃液中の胃酸や消化酵素のペプシンなどが、食物を消化するだけでなく、胃の内側をおおっている粘膜をも消化してしまい、その粘膜の孔があいた結果生じる病気です。



           
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胃の右側が痛い

胃の右側が痛いとき、右上腹部のほうが痛い時は、肝臓のあたりだと、A型急性肝炎、肝硬変、肝がん、アルコール性肝炎、うっ血肝、肝膿瘍、肝嚢胞などの病気が考えられます。

胆道だと胆石症、胆道感染症、胆嚢がんなどの病気の疑いがあります。

その他には、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの胃・十二指腸の病気、右腎臓、膵臓の病気などの可能性もあります。


考えられる病気

��型急性肝炎
��型肝炎ウイルス(HAV)に経口的に感染して、ウイルスが主に肝臓で増殖し、炎症すなわち肝炎を起こす病気です。


肝硬変
慢性の肝障害の進行によって、肝細胞が死滅・減少し線維組織によって置換された結果、肝臓が硬く変化し、肝機能が著しく減衰した状態のことをいいます。


肝がん
肝臓に発生する悪性腫瘍の総称のことです。


うっ血肝
急性心筋梗塞や肺炎などで、急に心臓のはたらきが低下した急性心不全の人、あるいは、心臓弁膜症や高血圧性心臓病で慢性的に心臓のはたらきが悪い慢性心不全の人に生じる肝障害です。


肝膿瘍
肝臓に膿瘍が出現する状態です。肝臓外から発生原因となる細菌や原虫などが肝組織内に進入・増殖し、肝内に膿瘍を形成する病気の総称です。


肝嚢胞
肝嚢胞は、肝臓のなかに液体のたまった袋ができる病気です。


胆石症
胆道に結石ができる病気を総称して胆石症と呼びます。胆汁のながれみちに石ができます。


胆道感染症
胆道に生じた感染症のことを胆道感染症といいます。


胆嚢がん
胆嚢癌は、胆嚢から発生する悪性腫瘍です。


胃潰瘍
胃から分泌される胃液中の胃酸や消化酵素のペプシンなどが、食物を消化するだけでなく、胃の内側をおおっている粘膜をも消化してしまい、その粘膜の孔があいた結果生じる病気です。


十二指腸潰瘍
十二指腸潰瘍は、十二指腸の粘膜に潰瘍が生じる病気です。




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胃が痛い時の食事

胃が痛い時は暴飲暴食は避けて、刺激の強いものや塩分は控えるようにしましょう。

胃痛は、胃酸の分泌過多により、胃の粘膜が荒れたり、ただれたりして、主に空腹時や夜間などに現れます。

潰瘍などの病気が原因の場合もありますが、胃痛には、粘膜を強化するビタミンC、粘膜の修復を促すビタミンUなどが有効です。

潰瘍などは再発しやすいので、消化のよい食事を心がけ、暴飲暴食は避けるようにしましょう。


胃が痛いときによい食べ物

みかん
みかんの皮を干した「陳皮」には、胃腸の調子を整えたり、炎症を抑えたりする作用があります。皮に含まれるヘスペリジンという成分にも、胃液の分泌を促す働きがあり、胃が痛い時や胃もたれの時などに効果的です。

じゃがいも
粘膜を強化するビタミンcが多く含まれています。加熱してもビタミンが壊れにくいのが利点。また、じゃがいものタンニンに、胃潰瘍の原因となるピロリ菌を排除する作用があり、潰瘍を防ぎます。

キャベツ
キャベツには胃腸粘膜の細胞組織を修復するビタミンUが多く、胃炎や胃潰瘍を予防する効果があります。薬効は生で摂るのが一番ですが、少し加熱すると、繊維質の消化でかかる胃の負担を軽減することができます。ただしビタミンUは熱に弱いため、加熱しすぎに注意しましょう。




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