胃肉腫の症状
胃肉腫は胃の粘膜下に腫瘍が発生する病気で、胃肉腫の約2/3が「悪性リンパ系胃肉腫」、約1/3が「胃平滑筋肉腫」と言われています。
悪性リンパ系胃肉腫は悪性のリンパ腫が発生する病気です。症状は食欲不振、吐き気、痛み、吐血や下血、体重減少があります。
自覚症状から診断することは困難で、胃癌との見分けがつきにくい病気です。原因ははっきりとは判明していません。
胃平滑筋肉腫は良性のリンパ腫が胃粘膜の下に発生する病気です。
「平滑筋」とは自律神経の作用で収縮する筋肉のことで、中でも胃平滑筋にある腫瘍は大きくなると、胃の粘膜を突き破って悪性腫瘍に変わりやすいです。
貧血や吐血をするほと悪化しないと症状に気付きにくいのも特徴です。
ピロリ菌が原因で胃肉腫になることはないものの、ピロリ菌が存在すると胃肉腫を誘発するとされています。
胃肉腫の治療
胃肉腫は消化管X線検査や内視鏡検査で発見できます。内視鏡で観察と同時に組織を採取し、良性か悪性の判断をします。
腫瘍が大きくなると、胃のしこりに触れることができますが、胃の粘膜を破って潰瘍を作るまでは、症状は自覚できずに胃潰瘍のような激痛もありません。
悪性リンパ系胃肉腫の治療では、悪い部分を残さないように切除術を行うのが基本です。その時期や細胞の種類によって、ピロリ菌の除菌や抗がん薬を併用した化学療法が選択されることもあります。
胃平滑筋肉腫の治療では放射線療法が無効のため、こちらも悪性リンパ系胃肉腫同様に切除術が主体となります。
手術でも腫瘍を取りきれないこともあり、死亡率の高い腫瘍です。5年生存率は10~30%とも言われています。
放っておくと悪化して死亡する可能性が高いので、緊急に処置をしないといけません。
0 件のコメント:
コメントを投稿