急性胃拡張の症状
急性胃拡張は胃に内容物が停滞して、急性的に胃の容積が拡大する病気です。食事後にお腹が張る膨満感にも用いられるケースもありますが、正式な急性胃拡張とは言えません。
体は口から肛門に食べ物を送り出すように動いていますが、急性胃拡張になると胃の筋肉の動きが麻痺して、胃が膨らんだ状態になります。
胃の中の食べ物を腸に押し出すことができずに、胃の中に食べ物が貯まる極めて危険な状態です。腸に流れていたものが胃に逆流してくることもあります。
症状は腹部膨満感、嘔吐、脱水によるショック症状が起こります。
嘔吐も頻発に少しずつ溢れるようになり、容易には止まりません。緑褐色の液体を大量に吐き出し、時間が経つと黒褐色のものを吐きます。
水分と電解質を大量に失うために、無欲状態、痙攣なども起こります。
放置すると胃が巨大化して、他の臓器を圧迫したり、呼吸ができなくなったりします。
急性胃拡張の治療
腹部のレントゲン検査で拡張した胃のガス像を簡単に確認することができますが、負担が少ない腹部超音波検査でも拡張した胃がわかります。
急性胃拡張は原因を見つけることが治療につながりますので、血液検査や尿検査、胃内視鏡検査も実施されます。
急性胃拡張が激しい場合は即時に胃の中に溜まっている内容物をチューブで吸引し、外に出してあげます。
さらに電解質の補整、タンパク質の補給、血糖のコントロールも行います。処置後は禁食で胃腸を安静にして、点滴で経過を見ます。
以前は死亡率が60~70%とも言われていましたが、現在では病気の発見が早く、適切な治療が行われれば、ほとんど治癒します。
胃癌などのために食物やガスの停留が起こることが多いですし、肺炎や急性伝染病などの重症感染症、脊髄損傷、腹部外傷、腹部のギプス包帯固定後などでも発症します。
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