ピロリ菌と胃ガンの関係に注目が集まっていて、ピロリ菌さえ除菌すれば胃ガンのリスクから完全に解放されたように勘違いする人がいますが、決してそうとは言えません。
ピロリ菌の除菌によって、胃ガンのリスクは3分の1程度に下がることが分かっていますが、しかし、そもそもピロリ菌に感染している人すべてが胃ガンになるわけではありません。
ピロリ菌に感染している人1,000人のうち2~3人です。
胃ガンの発症リスクは、ピロリ菌のほかに遺伝的な要因や食生活によっても影響を受けるのです。古くから日本人に胃ガンが多いのは、塩分の多い食事のせいだと言われてきました。
塩辛いものを食べると水分が欲しくなって、たくさんの水を飲むようになります。この状態は、浸透圧が高まっているのですが、これが胃の粘膜障害を起こし、胃ガンのリスクが高まるのではないかと考えられています。
生活習慣と病気の関係について検証するときに、よく移民についての調査が行われます。ハワイに移住した日系2世では、胃ガンの発生率は現地人と同じでした。ピロリ菌に感染していても、冷蔵庫が発達していて塩で貯蔵する必要が無く、また新鮮な野菜や果物を食べることができたためではないかと思われます。
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